私は1970、80年代に米国でギャグ作家をしていました。ネタを書いて、スタンダップコメディアンに1本いくらで売っていました。私は、凝った侮辱は一つの芸術だと思っています。体を使った芸は見て面白いです。日本みたいな相方がツッコミを入れてくれるコンビ芸も聞いていて面白いですが、文字に起こしたとき、そんなに笑えない。でも、スタンダップコメディアンは1人でしゃべります。だから、原稿を読むだけで成立する面白さがなくてはなりません。それだけ難しく、洗練された芸だと思います。

 ただ、今回のクリス・ロックさんのジョークは10点中2点くらいでした。「何々に似ているね」と言うだけのギャグは別に面白くありません。

 来年のアカデミー賞授賞式では、ウィル・スミスさんがいじられるでしょうね。スミスさんは出席しなくて、ほっとしているでしょうけど。

AERA 2022年6月13日号

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