さらに、

「いつからか、グループのためにラップマシンになり、楽曲をリメイクし、英語で話すことが自分の仕事だと思うようになった」
「割り当てられた仕事をすればグループは回っていくけど、自分自身が閉じ込められているように感じる。今、何をすべきかを考えるためにひとりになりたかったけど、そうさせてはくれない」
「疲れたという言葉さえ言ってはいけないのではないかと感じてしまう」

 などの苦悩を告白した。

 他のメンバーもおおむね同じような思いを抱えているようだが、韓国のトップアーティストがこのような苦悩を吐露する背景には、芸能界の構造的な問題もありそうだ。

 韓国の芸能界に詳しい日本の芸能事務所スタッフは明かす。

「BTSのメンバーが練習生の頃から寮などで約7年間共同生活を送っていたのは有名な話です。K-POPグループのメンバーの大半は、男女を問わずデビュー前の若い頃から事務所が用意したマンションなどで住み込みでレッスン漬けの毎日を送ります。韓国のエンタメ業界は日本のアイドルのような『タレントの成長過程も含めてファンに楽しんでもらう』という発想はほとんどなく『完成度』が重視されます。それゆえ、投資した分をより早く回収したいという業界側の思惑もあり、下積み時代はかなりハードな生活を強いられます。その結果、運良く売れたとしても契約でがんじがらめにされているので、生活面で多少は改善されたとしても、基本的にはとことん働かされ、稼がさせられるのが基本です」

 実際、日本でもその名が知られている韓国の人気アーティストや人気俳優の中にも驚くほどつつましやかな生活をしている者や、中には人気絶頂の最中に謎の自殺をしてしまう者もいる。

「韓国の芸能界は、いまだにグレーな部分も多く、狭い世界なので人間関係や利権構造も濃密です。いくらBTSが海外で成功を収めたといっても根っこの部分はシビアな韓国の芸能界にあるわけで、メンバーたちもそれなりに苦悩を抱えていたのではないでしょうか」(同芸能事務所のスタッフ)

 メンバー自らがYouTubeチャンネルで突然の活動休止を発表した背景には、そうした形を取らざるを得ない事情があったのかもしれない。(立花茂)

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