熊本電気鉄道1000形
(2022年3月27日から営業運転開始)

これまで導入した元東京メトロの車両より“年上”の1000形(提供/熊本電気鉄道)
これまで導入した元東京メトロの車両より“年上”の1000形(提供/熊本電気鉄道)

 本電気鉄道(以下、熊電)は6000形(元東京都交通局6000形)の置き換え用として、2022年2月、静岡鉄道から1000形を導入した。「中小私鉄から中小私鉄に移籍する」という珍しいケースだ。改番やカラーリングの変更もなく、熊電1000形として、藤崎宮前―御代志間の運行に就く。

 導入にあたり、ATSと屋根上塗装材の変更、運転状況記録装置、音声合成装置、車外スピーカー、ホームからの転落事故を防止するための外幌をそれぞれ新設。電子警報機(「電子笛」とも称する警笛)の撤去が行われた。

 方向幕は前面のみ白色LEDに更新し、側面はふさぐ形で撤去。代わりに「サボ」と称する行き先表示板を差し込むサボ入れが設置された。運転士がホーム後方を確認するサイドミラーも更新され、運転席側にはアンダーミラーも設置された。車内は室内灯のLED化、整理券発行機、運賃表示器、運賃箱の新設。4人掛けロングシートを一部撤去し、車椅子スペースに充てた。

 なお、最高速度は90km/h(設計最高速度。営業運転時は70km/h)から50km/hに引き下げた。

伊豆急行3000系アロハ電車
(2022年4月30日から営業運転開始)

伊豆急行は3000系アロハ電車のデビュー前からイベントを開催して、“売り込み”に精を出していた(著者撮影)
伊豆急行は3000系アロハ電車のデビュー前からイベントを開催して、“売り込み”に精を出していた(著者撮影)

 伊豆急行は、元東京急行電鉄(現東急電鉄)8000系の老朽化が進んだことから、2017年ごろから車両の置き換えを検討。JR東日本房総地区の209系に廃車の計画があることを知る。

 伊豆急行とJR東日本は相互直通運転を行うことから、大規模な改造工事が不要なこと、性能向上による運転動力費などコスト削減が期待できることから、209系導入を決めた。

 導入後、ステンレス車体側面のラッピング、車外のデジタル方向幕と車内の旅客情報案内装置に伊豆急行線内の表記などを追加し、装いを新たにした。

 伊豆急行の車両は、1961年12月10日の開業から自社オリジナルの100系、1000系、2100系(リゾート21、THE ROYAL EXPRESS)と続き、2000年から移籍車両にシフトした。伊豆急ホールディングスによると、3000系と名づけた由来は「一番経年の若い車両」からきているという。要は2100系より“年下”の車両なのだ。ちなみに200系(元JR東日本113系、115系)、8000系は、いずれも2100系より“年上”の車両である。

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