──現在放送中のドラマ「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」をはじめ、「仮面ライダーゴースト」「ひよっこ」、映画「東京リベンジャーズ」など数多くの作品に出演する磯村さんですが、転機になったと思う作品は?

 いくつかターニングポイントになった作品はあるのですが……最近では映画の「ヤクザと家族 The Family」です。自然にそこに存在するにはどうすればいいのか。現場や芝居に対する自分の考え方も変わり、僕の俳優人生の中でも濃厚な時間、良い経験になりました。藤井道人監督には、監督と俳優の関係性は「夫婦」のような関係でいられることが大事だと教わりました。

──俳優になっていなかったら、どんなお仕事をしていたと思いますか?

 宇宙飛行士を目指していたと思います。もともと宇宙がとても好きで。なかでもブラックホールにとても興味があるんです。だから宇宙飛行士になって、人類が誰もやったことがない、ブラックホールに突入するという挑戦をすることで世界に名を残したかったです。

──地球に戻ってこられないかもしれません。

 そこは覚悟しないといけませんよね。だけど、もしかしたら何か未知の力が働いて、思いもよらない形で戻ってこられるかもしれません。人智を超えた何かが宇宙にはあると思うんです。そういうところにロマンを感じます。

──宇宙に興味をもったきっかけは?

 子供のころに見た、「スター・ウォーズ」(エピソード4)ですね。僕にとって、たぶん初めて見た映画なのですが、それに出会って宇宙の魅力を知っていったという感じです。

──「PLAN 75」は、どういった見方をしてもらいたいですか?

「PLAN 75」は近未来のお話ではありますが、実際に僕たちが生きる世界線の延長線上で、本当に起こるかもしれないという危機感、リアリティーを持つ作品でもあります。見る世代や環境によって、とらえ方も違ってくる作品だと思います。この映画をきっかけに、今抱えている問題についてあらためて関心を持ってもらったり、自分自身の生命力を信じてもらえたらいいなと思います。みなさん、強く生きましょう!と伝えたいです。

週刊朝日
週刊朝日 2022年6月24日号

(構成/本誌・太田サトル)

週刊朝日  2022年6月24日号