収穫期は日本の冬。そこで行政院農業委員会は、アテモヤを冷凍にし、大々的な日本への売り込みを計画した。日本語のポスターをつくり、そこには食べ方のほか、アテモヤプリンタルトやアテモヤジェラートなどのスイーツや料理を画像つきで紹介(写真)する熱の入れようだった。
しかし蓋を開けてみると大苦戦。実際、スーパーなどでアテモヤを目にしない。パイナップルに比べて、アテモヤを知っている日本人はあまりに少ない。シャーベット状にすると、しゃりしゃりとした舌触りでおいしいというが、溶けるといったいどんな果物なのかわからなくなるという。
台湾での人気もそれほど高くない。今年の1月、産地の台東市内で聞いたところ、「台湾での消費量も多くない。冷凍? そんな食べ方は知らない」と一蹴されてしまった。
(取材協力:広橋賢蔵)
◇ ◇ ◇
次回は下川さんが海外の現場からお伝えします。