芸術や文化に触れたいとき、あるいは非日常感を味わいたいときに足を向けたくなる美術館。
初めて美術館を訪れる人は「どんな格好をすればいいかわからない」「美術館にドレスコードはあるの?」など、コーディネートに不安を感じることが多いようです。

そこで今回は、美術館に行くときの服装マナーや、服装選びのポイント、最適なコーディネート例を紹介します。

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美術館へ行くときの服装マナー

美術館には貴重な美術品が展示されているので、厳しいドレスコードがあるのでは…と思う方もいるかもしれません。
実際には、美術館にドレスコードはないため、服装を理由に入館を拒否されることはまずないと言ってよいでしょう。

ただ、美術館やほかのお客さんに迷惑がかからないよう、守らなくてはならない最低限の服装マナーがいくつか存在します。

■つばのある帽子はNG
多くの美術館では、美術品を間近でじっくり鑑賞できるよう、観覧スペースと作品の間にそれほど大きな距離を取っていません。
そのため、キャップなどつばのある帽子を被っていくと、美術品に顔を寄せた際、つばが当たって作品に傷をつけてしまうおそれがあります。

つばのない帽子であれば問題ありませんが、つばのある帽子を被っていく場合は、入館後に帽子を脱ぎ、手持ちのバッグなどに入れて持ち歩くようにしましょう。

■音の出るアクセサリーを身に着けない
美術館を訪れる人の多くは、静かに美術鑑賞することを望んでいるため、音が鳴るものは身に着けないのがマナーです。

シンプルなネックレスや指輪、ピアスであれば問題ありませんが、飾りがジャラジャラついたネックレスなど、ちょっとした仕草で音が鳴るようなアクセサリーは身に着けないようにしましょう。

■落ち着きのあるコーディネートにまとめる
美術館は静かで、落ち着きのある空間ですので、ファッションもその場の雰囲気に合わせてコーディネートすることが大切です。
色はモノトーンやダークカラー調でまとめ、あまり派手な色柄を選ばないようにしましょう。

とくに原色系の服や、大きめのプリントが入った服などは避けた方が無難です。

美術館を楽しむための服装選びのポイント

美術館を心から楽しむために押さえておきたい服装選びのポイントを2つ紹介します。

■1.ヒールの高い靴は履かない
小さな美術館でも、一周しようとするとかなりの距離を歩くことになります。
途中で休憩を挟まない場合、ずっと立ちっぱなし、歩きっぱなしの状態になりますので、ヒールの高い靴を履いていくと足が疲れてしまいます。

また、ハイヒールの靴音は静かな美術館でよく響くため、ほかのお客さんに迷惑をかけてしまう原因にもなります。
美術館に行くときは、かかとの低いローヒールの靴を選んだ方がよいでしょう。

■2.バッグは小さめのものをチョイスする
美術館で大きめのバッグを持ち歩くと、うっかり作品にぶつかってしまう可能性があります。
バッグを持参するのであれば、なるべくコンパクトなハンドバッグやショルダーバッグを選ぶことをおすすめします。

美術館によってはロッカーが設置されているところもあるため、大きめのバッグで行きたい場合は事前に確認しておきましょう。

美術館に最適なコーディネート例

美術館に行くときにおすすめのコーディネート例を季節ごとに紹介します。

■春はパステルカラーを取り入れる
春に美術館を訪れるときは、淡いパステルカラーのコーディネートにまとめるのがおすすめです。
柔らかなテイストは美術館の雰囲気ともほどよくマッチしていて、周囲から浮く心配はありません。

ただ、白や黄色など明るい色を選ぶと、ガラスケースに自分の姿が映り込んでしまって美術品をよく鑑賞できなくなる可能性があります。
存分に美術品を楽しみたい場合は、淡いブルーやグリーン系の色をチョイスしましょう。

■夏は羽織り物を一枚用意しておく
気温が高くなりやすい夏は、半袖やノースリーブを着て出かける機会が多くなります。
ただ、美術館は作品の劣化を防ぐために、一年を通して一定の温度・湿度を保つよう調整されています。

暑い屋外からひんやりとした美術館内に入ると体が冷えてしまう可能性がありますので、カーディガンや長袖のシャツなど、さっと羽織れるものを一枚用意していった方がよいでしょう。
ボトムスもハーフパンツやミニスカートは避け、パンツやロングスカートを履いていくのがおすすめです。

■秋はオータムカラーを取り入れて落ち着いた雰囲気に
くすみがかった黄色やオレンジ、落ち着きのあるダークブラウンやキャメルなどのオータムカラーは、美術館の雰囲気にぴったりの色です。
女性であればブラウンのカーディガンに黒のニットワンピース、男性はキャメルのジャケットにグレーのパンツなど、シックな装いでまとめてみましょう。

■冬の美術館は寒さ対策をしっかりと
美術品は熱や湿気に弱いため、冬でも美術館の中の空気はややひんやりとしています。
屋内だからと油断していると冷えに悩まされる可能性がありますので、保温性の高いカシミヤやウールのニットを着用するなど、防寒はしっかり行いましょう。

アウターはナイロンやポリエステル製だと音が気になることがあるので、こちらもウールやカシミヤ、ツイードなど、暖かくて音がしないものを選ぶことをおすすめします。

美術館に行くときは最低限のマナーを押さえていこう

美術館には厳格なドレスコードは存在しませんが、美術品を傷つけるおそれがあるものや、音が鳴るもの、美術館の雰囲気にそぐわないテイストのものなどを身に着けるのは避けるのがマナーです。
また、美術館は一年を通して一定の温度・湿度に調節されていますので、季節によっては寒さ対策を忘れないようにしましょう。

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