本連載の著者は棚田健大郎氏。YouTubeチャンネル「棚田行政書士の不動産大学」の管理人として、資格の勉強法や不動産業界の裏事情などを毎日配信。「働きながら3年で、9つの資格に独学合格」した際の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、寄稿記事を公開します。
※こちらの記事はダイヤモンド・オンラインの連載記事からの転載です
銀行が激怒する「住宅ローンの危ない使い方」
私の運営するYouTubeチャンネル「不動産大学」に、こんな質問が届きました。
「フラット35を利用し、低金利で融資を受けて購入した住宅を、長期海外出張などの理由で定期借家として賃貸するのはセーフでしょうか?」
これはとても重要な質問です。不動産会社に勤めていたとき、こういう相談を何回も受けました。
結論から言うと、銀行に黙ってやると大変なことになります。
まずフラット35は、申込本人またはそのご親族が住む住宅の取得資金として利用できる期間固定金利型住宅ローンです。要するに、「マイホームだから優遇条件で大金を貸しますよ」という特別なローンなんです。
そのため、「自分で住まないのであれば、一括返済するか組み換えしてください」というのが本来の筋です。
ここからは金融機関によっても多少対応は異なりますが、転勤等のやむを得ない事情で、一時的に居住できない場合なら、融資住宅に戻ることを前提に賃貸に出すことを承諾してくれるケースはあります。
ポイントは「自分の都合」ではなく「会社の命令」であるという点です。ここについては細かく確認をされると思います。
なぜなら、住宅ローンを融資している銀行は投資目的で流用されることをすごく警戒しているからです。住宅ローンの金利は低いので、これを悪用して投資目的で賃貸されるとたまったものではありません。
万が一、銀行に内緒で賃貸していることがばれると大変なことになります。