一方、支出は記載の項目を合計すると月47万円、年間564万円。ボーナスからの支出は129万円です。以上を合計すると、693万円になります。

 キャッシュフローをまとめると、年間の手取収入が1080万円、支出が693万円ですから差額は387万円です。387万円のうち120万円は貯蓄しているので、267万円が使途不明金になっていると思われます。

2人の子どものうち長女は既に社会に出ており、次女も教育費は必要ないと書かれているので、267万円もの使途不明金は看過できない金額です。早期退職に向けてしっかり貯金をできるようにしましょう。

Nさんが早期退職した場合
老後資金はいくらになる?

 次に、Nさんの早期退職以降の、夫婦の老後資金を試算してみましょう。

 Nさんの早期退職は1年後です。先ほどの使途不明金も含めて年間収支の差額387万円が貯蓄に回るとします。Nさんが現在保有している金融資産は、現金700万円だけなので、退職時の金融資産額は1087万円になります。

 相談文によると、選択定年58歳の退職金は4000万円程度あるそうですが、退職金で住宅ローンの残額650万円を一括で支払う予定とのこと。退職金の4000万円も額面金額と想定して手取額を3600万円とします。すると、住宅ローン返済後の退職金の残額は2950万円です。早期退職の58歳時点の金融資産額(1087万円)に住宅ローン返済後の退職金を加えると、4037万円です。これが、Nさん夫婦の老後資金になります。

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今のNさん夫婦に早期退職をおすすめできないワケ