12月6日月曜日発売のAERA12月13日号の特集は「早稲田と慶應」。巻頭では、早稲田大学の田中愛治総長と慶應義塾大学の伊藤公平塾長の「初対談」が実現しました。オンラインでの対談前日は秩父宮ラグビー場での早慶戦で会っていたという二人。それぞれの大学の強みや一緒にやりたいこと、早慶が果たすべき役割などについて、語り合いました。

 特集では「就職」「受験」という切り口でも早慶を解剖。意外な結果も含まれています。ご好評いただいている月2回連載「向井康二が学ぶ 白熱カメラレッスン」は、高砂淳二さんに教わる最終回。鏡や目の錯覚を使った撮影を楽しみました。そしていま、韓国の世論を二分する事態となっているBTSの兵役問題も取材。現地からのリポートを掲載します。表紙には、まもなく全世界同時配信されるNetflix映画「浅草キッド」でビートたけし役を演じる、柳楽優弥さんが登場します。

AERA12月13日号※アマゾンで予約受付中
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※アマゾンで予約受付中
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 永遠のライバルと言われる早稲田大学と慶應義塾大学。私立大学の2トップとされる二つの大学は、何かにつけて比較される存在です。雑誌の特集も、数多く組まれてきました。今回、その両大学のトップの対談が実現しました。オンラインで行われた対談の前日には、秩父宮ラグビー場での早慶戦で顔を合わせていたという二人。慶應の伊藤公平塾長は、今年5月に現職に就いたとき、まず訪ねたのが早稲田の田中愛治総長だったことを明かし、その田中総長は、すでに始まっていたり、計画中だったりする両校の「連携」についても語ります。両トップの立ち位置は、「早慶は競い合うのではなく、日本の私立大学をともに引っ張る存在だ」ということで一致しました。

 特集では、「就職」「受験」という切り口でも両大学を解剖しています。出口にあたる「就職」では、主要424社への就職者数で他大学を圧倒する早稲田と慶應。慶應が塾生同士の切磋琢磨や卒業生の支えがあって、メガバンクやコンサル、不動産、広告、放送などの「高年収企業」に多くの学生を送り込んでいるのに対し、早稲田は、企業のみならず「総理大臣から地域の世話役まで」、幅広く人材が輩出しています。「入り口」にあたる受験では、早稲田の政治経済学部と慶應の法学部・経済学部、早稲田の文学部・文化構想学部と慶應の文学部、早稲田の基幹理工学部と慶應の理工学部などについて、「両方に合格した受験生がどちらに進学したのか」を調べました。見えてきたのは、早稲田の入試改革が効果を上げているということ。「慶應優位」が続いた平成とは様相が異なっています。

 月2回連載「向井康二が学ぶ 白熱カメラレッスン」は、4カ月にわたる高砂淳二さんとの最後のレッスンをお届けします。前回、とある展望台で、窓への自分の姿の映り込みを生かした撮影を楽しんだ2人は、今度は「鏡張りの万華鏡のような部屋」へ向かいます。次々に切り替わる映像で、春夏秋冬の移り変わりなども楽しめる光と鏡のトンネル「無限スケープ」では、像の反射を生かした不思議な写真の撮影を楽しみました。合わせ鏡の効果で何重にも姿が映り、「おれがいっぱい!」「永遠撮れるなここ!」とテンションが上がった向井さん。その向井さんが挙げた「この場所でうまく撮るコツ」とは――。目の錯覚を利用した仕掛けのある場所では、思うように写真におさめることができず、四苦八苦。向井さんが、「失礼いたしました!ペコッ!」とお辞儀をする場面も見られました。

 そして、レッスンの最後には、向井さんが高砂さんに「撮影場所はどうやって決めているのか」という質問を投げかけます。ウユニ塩湖が日本で有名になる前に撮影に訪れた高砂さんが、その出会いの経緯を明かしたり、「一緒につれていきたいなぁって思った」という向井さんにおすすめの世界の撮影地を教えてくれたり。「ついていきます!」とすっかり“師弟”らしくなった会話から、楽しい空気が伝わってきます。高砂さんの「ぜひ撮って、いつか見せてください」という言葉に、向井さんが約束した「撮りたっ! 休みもらって」なものが何なのか。誌面で是非ご覧ください。

 2年連続でグラミー賞にノミネートされたBTSの兵役を巡る問題も現地取材。韓国国会ではいま、「BTS兵役特例」と呼ばれる法改正案が議論されています。野党が「国益への寄与度」を評価して入隊免除に理解を示す一方、与党は「公平性」の観点で免除は避けるべきだと主張し、世論も二分。ただ、過去に歌手や俳優が「兵役逃れ」で反感を買った例もあり、「後ろ指を指されるくらいなら、義務を果たして堂々と活動してほしい」とファン心理は複雑です。記事では、韓国の兵役と芸能人を巡る歴史を振り返りつつ、この現象を読み解きました。

 表紙には、柳楽優弥さんが登場します。ビートたけしさんの同名小説を映画化した「浅草キッド」で本人役を演じた柳楽さん。初号試写を見て、この作品の脚本・監督を務めた劇団ひとりさんについて「天才だな」と感じた、というところから、インタビューがはじまります。現場では褒められた記憶がないこと、手のひらの上で踊らされているような感覚があったこと、編集も素晴らしかったこと――。日本国内で上演されるのではなく、Netflix映画として全世界独占配信されることについても、「世界中の人が観ることができるコンテンツとして届けることができる。それってすごくラッキー」と話します。家族や、自分を導いてくれた「師匠」についても、率直に語りました。表紙も、カラーグラビア&インタビュー3ページも、撮影は蜷川実花です。

「短期連載 起業は巡る」第2シーズンの最後に登場するのは、「オタク ヒーロー化計画」を掲げ、プログラミング教育のための「ITキャンプ」を始めたライフイズテックの水野雄介さんです。夏の甲子園、神奈川県大会の3回戦で松坂大輔を擁する横浜高校と対戦。「次の回の代打」を告げられた直後にコールド負けを喫したという経験を持つ水野さんが、開成高校での講師、ベンチャー企業を経て起業にたどり着くまでの経緯、愛読する漫画『ワンピース』を模した起業仲間の集め方には、働く人にとって多くのヒントが詰まっています。

 King Gnuの井口理さんがホストを務める人気の対談連載「なんでもソーダ割り」は、コラージュアーティスト河村康輔さんをゲストに迎えた2回目です。河村さんが「いま」にたどり着くまでのストーリーは、井口さんが「続きを聞くのが怖いな……」とつぶやくほどに自由で無軌道。井口さんが入れる絶妙の合いの手で、ダメダメな物語もコミカルに思えるから不思議です。

 ほかにも、

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AERA(アエラ)2021年12月13日号
定価:440円(本体400円+税10%)
発売日:2021年12月6日(月曜日)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09L56G6R5