
検尿や検便があるように、尿や便は健康の指標になると誰もが知っている。おならの変調も、胃腸の疾患と密接につながっているということだ。
しかし、「人前でするのは恥ずかしい」と我慢してしまいがちなのがおなら。エチケット的にもやたらと放屁するのは考えもの。それでも「我慢のしすぎは体に悪い」と白畑医師は言う。
「腸の中にはたくさんの自律神経が走っています。出すべきガスを我慢しすぎると腸が張り、副交感神経が過剰に刺激され、血圧が下がったりめまいを起こしたりすることがあります。便秘と同じですね。よく便秘が続くと“口臭がうんこ臭くなる”と言われますが、それは俗説。口臭の原因は便やおならのニオイではなく胃酸です。おならを我慢して出口が詰まると、上のほうの流れも悪くなります。それで胃酸が下りていかずに胃酸臭がするわけです」
「屁(へ)のような」などと侮らず、健康チェックのつもりで、自分のおならに少しは注意を向けよう。(本誌・鈴木裕也)
※週刊朝日 2022年7月22日号より抜粋