女性がこれから意識すべきは健康寿命。最後まで自分の思うように生き、動き続けるためにも、今の自分の心身をこまめにチェック&ケアしていくことが大切です。そこで必要なのが「検診」。健康寿命の延伸、そして婦人科系疾患の予防・早期発見のためにも、検診を受けることを習慣にしていきましょう。

女性の病気にはホルモンが大きく関係

 女性の不調や病気の多くは、女性ホルモンなくして語ることはできません。女性ホルモンの本来の目的は、妊娠しやすい体をつくり、妊娠・出産を安全に行うことですが、その他にも血管や粘膜、骨、脳にも作用し、女性の心身を守ってくれています。そのため、女性ホルモンが分泌されている閉経前と、分泌されなくなる閉経後では、かかりやすい病気が変わってきます。

「女性ホルモンの分泌量が多い20代、30代は子宮内膜症や子宮筋腫など婦人科系疾患にかかるリスクが高くなっています。一方、40代後半になると女性ホルモンというお守りがなくなり始めることで、コレステロール値や血圧が上がり始め、生活習慣病やがんのリスクが高くなります」と対馬先生。 

 例えばがんの中で女性の死亡率が最も高い大腸がんは、女性ホルモンとの関係が深く、ホルモンが低下する40代から増え始めます。大腸は子宮や卵巣と近い臓器のため、女性ホルモンの影響を受けやすいこともありますし、ホルモンが減ると腸管の粘膜の力が落ちることで免疫力が低下し、がんが発生しやすくなることも指摘されています。

ストレスや冷えが婦人科系疾患の原因に 

 年齢だけでなく、過剰なストレスも女性の病気のリスクに関係しています。女性ホルモンは卵巣で分泌されていますが、その指令を出しているのは脳の視床下部と脳下垂体。女性ホルモンは脳を介して血管や血圧、体温などを司る「自律神経系」や「免疫系」と連動しています。ストレスで視床下部の指令が乱れると、ホルモンの分泌がうまくいかなくなり、さらには連動する自律神経系や免疫系も乱れ、心身の様々な不調を招いてしまいます。ストレスの多い人ほど子宮内膜症になりやすいというデータもあり、こまめなストレスケアは病気を防ぐ大事なポイントです。

 冷えやすいライフスタイルもホルモンに影響を及ぼします。体が冷えていると血流が悪くなり、卵巣や子宮の働きも低下、視床下部の指令に反応しにくくなることもあるのです。

年代の課題に応じたチェック&ケアを 

 月経がある間は、ホルモンバランスを乱さないよう心がけ、婦人科系疾患の予防や早期発見に努めることが課題です。また、ピルを活用するなど、ホルモンと上手につき合うスキルも磨きましょう。更年期以降は遺伝的に弱いところで疾患が出るようになります。更年期症状に振り回されず、その後ろに隠れている生活習慣病やがんなどの重大な病気、これからつき合っていかなければならない自分の弱いところを早く発見することが大切です。

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更年期対策のホルモン療法、そのメリットとは