※写真はイメージです(GettyImages)
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「仕事がデキる」と評価される人は、どのような話し方をしているのか。営業コンサルタントの浅川智仁氏は「ひとつの言葉でも、自分と相手の頭に浮かぶイメージは違う。仕事のデキる人は、『すぐに』という曖昧な言葉は使わない」という――。

※本稿は、浅川智仁『仕事ができる人は、3分話せばわかる 信頼を勝ち取る「準備・具体性・ストーリー」』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■「1秒後にはコピーに取りかかります」

 企業の新人研修などで、参加者に対して、よくこんな質問をします。

「上司から、『この書類のコピーをすぐに頼む』って言われたとします。そう聞いたとき、パッと感覚的に、どれくらいの時間でコピーをして持って行けばいいと思いますか?」

 回答は、本当に、人によってまちまちです。

 同じ会社の社員でも、「1秒後にはコピーに取りかかります」って答える人もいるし、「自分の仕事のキリがいいところでコピーして、1時間以内には持って行きます」と答える人もいる。

 ある企業での研修では、「1時間以内です」って回答する社員のうしろで、その社員の上司が、「あっ、だからコイツ、いつも仕事が遅いんだ……」という顔をしていたこともありました。

 1時間とはいわなくても、「すぐにコピー」と頼まれたときに、「1分以内」と思う人と、「5分以内」と思う人の間では、すでに5倍の開きがあります。

 この認識のズレが、上司と部下の間にあったとき、悲劇が始まります。

「あれ? ○○さん。『すぐに』って言ったんだけど」
「はい。(5分以内に)すぐにやります」
「(どうしてコピーに行かないのかな?)うん、だから、『すぐに』ね!」
「いや、だから(5分以内に)すぐにやって持って行きます!」

 まるでコントですね。

 でもこれ、オフィスでは案外よく見かける光景です。

 なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。

 それは、「自分が頭に描いたイメージと、相手が自分の言葉を聞いて頭に浮かべるイメージは、同じものではない」という前提に、両者が立っていないからです。

■頼まれてもトラブルにならない声かけ

 悲劇的なのは、「すぐに」の意味するところが曖昧なために、両者がどっちも正しいということ。

「正しさ」と「正しさ」の争いになってしまっているのです。

 この悲劇を防ぐには、どうしたらよいのでしょう?

 簡単なことです。

「○○さん、この書類のコピー、14時までにもらえる?」

 こう頼めばいい。

 これなら、老若男女、どんな人同士でも共通の認識ができます。

 このように指示できる上司は、できる人です。

 一方、たとえ上司が、「すぐにコピーして」って指示してきたとしても、「5分以内で大丈夫ですか?」って確認できる部下も、できる人です。

 できる人は、ひとつの言葉でも、お互いの頭に浮かぶイメージは「違っていて当たり前」だと知っているので、相手により正確に伝える工夫や努力を惜しみません。

 できる人同士のコミュニケーションでは、お互い、正しい認識を共有できるように注意しているので、ムダなストレスにならないし、認識違いによるトラブルも未然に防げるのです。

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