ファッションデザイナーのドン小西さんが「週刊朝日」で連載する「ドン小西のイケてるファッションチェック」が1000回を迎えた。「お前が言うな」と言われながら、人様のイデタチを斬るも斬ったり20年。1000回分のファッションチェックから、2000年代の恒例企画「ドン小西版ベストドレッサー賞」をおさらい。(敬称略)
【写真】2005年のベストドレッサー賞に選ばれたのはこの人!
* * *
しかしこう見ると、ファッションは内面の鏡って、つくづく思うね。人の価値観が変わった分だけ、ファッションも大きく変わってるもんな。20年前は、男性ならスーツに派手なネクタイを締めときゃいいてな感じ。おまけにSNSもネット世論もないんだもん。とくに政界ではイメージ戦略が票に結びつくなんて、考えたこともない人ばっかりだよ。その後、クールビズを経て、日本人の、とくにお父さんたちのオシャレ度も一応は上がったが、逆に個性がなくなったのが痛し痒(かゆ)し。ま、次の20年もせっせとチェックしますわよ!
【2001年1月】
■まだ政治家も芸能人も、雲の上の存在。服なんて気にしなくてもいい、まさに“上級国民”だったよね
芸能人のファッションチェックがテレビのキラーコンテンツだった時代、森内閣の閣僚や都知事など、政治家にもロックオンするユニークなファッションチェック連載が世に放たれた。「政治家は話術よりファッションを学ぶべき」(ドン)と第1回で、初のお説教
【2001年12月】
■肝が据わったファッションの扇先生。3年後、ドン版の大賞に輝いて、トロフィーを手渡しに行ったっけ
01年、日本メンズファッション協会が主催する本物の「ベストドレッサー賞」を受賞したのは、この年発足した小泉内閣で初入閣を果たしたワイドカラーシャツの石原伸晃。一方、ドン版の大賞は、相撲界から引退し、巨体ながら上手にスーツを着こなした曙太郎に
【2002年12月】
■イメージ重視の小泉内閣は、強烈なキャラ揃い。服への意識も芽生え始めて、チェックの腕が鳴ったもんだ
連載開始の翌年もドン版が発表され、ベストドレッサー賞は00年代の恒例企画に。この年のドン版では、本家でも受賞したテリー伊藤が大賞に。一方本家では、官房副長官だった安倍晋三も受賞。「オシャレアピールがくどいが、Vゾーンの演出はなかなか」とドンも高評価