7月23日開催の東京五輪を控え、東京都の小池百合子都知事が新型コロナウィルスの感染がまだ高い水準にあるため、緊急事態宣言の再延長を要請することに決めた5月26日―-。
公明党の顔である赤羽一嘉・国土交通相は同日午後2時頃、東京都中野区にあるキリンレモンスポーツセンター(中野区立総合体育館)を訪れていた。建物の正面玄関には赤字入りで「緊急事態宣言を受け、4月27日から全館臨時休館」という貼り紙がベタベタとあった。
赤羽国交相といえば菅義偉首相が招集する「5大臣会合」のメンバーだ。この日午後6時頃から首相官邸では5大臣会合で緊急事態宣言の延長が決められた。早足に官邸へやってきた赤羽国交相だが、少し前までは冒頭のように中野区のキリンレモンスポーツセンターや西武新宿線沼袋駅での「西武新宿線の連続立体交差事業」、中野サンプラザ周辺の「視察」に訪れていた。
「収まらないコロナ感染、緊急事態宣言の大幅延長、東京五輪開催と問題山積みの最中に視察という名の選挙活動をしている。本当に呑気なものです」(国交省関係者)
赤羽大臣が中野区で会っていたのは、公明党の中野区の高倉良生都議ら区議たち、酒井直人・中野区長、中野区の職員数人、国交省の職員ら総勢20人前後。一体、スポーツセンターの中で何をしていたのか。
「緊急事態宣言中で、体育館が使えなくなったので、会議室のみ利用しました。密にはなっていないと思う」(区関係者)
東京都議選(6月25日告示、7月4日投開票)の告示まで1カ月を切り、各党とも活動が激化してきた。とりわけ、自民党との選挙協力を復活させた公明党はひと足早く、「選挙モード」に入っているというのだ。
冒頭の中野区の視察の2日前の24日午後1時頃、赤羽国交相は東京都荒川区の隅田川沿いの「スーパー堤防」にいた。何をしていたのかというと、この日も、荒川区と北区の「視察」だった。
赤羽国交相は「国土交通省」という文字の入ったジャンパーを身にまとっていた。他にも同じジャンパーを着た職員が数人、動き回っていた。国土交通省の職員のようだ。職員や都議ら20人近くを引き連れて隅田川と荒川沿いを相次いで「視察」。