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2021年度予算の成立とともに流れたニュースに、驚いた人もいるだろう。皇族女性は、二十歳の成人を迎える年に宮中晩餐会など公式の場で身につけるティアラ(宝冠)・ネックレス・イヤリング・ブレスレットといった宝飾品5点を制作する。今年の12月には、愛子さまが二十歳の誕生日を迎える。だが、ティアラの予算は計上されなかったのだ。
1月1日の新年祝賀の儀に臨む皇后雅子さまをはじめ皇族女性が、コロナ禍で苦労する国民に配慮してティアラの着用を控えた。そのことから、愛子さまも、他の皇族が大切に使ったものを引き継ぐなど、新調を控えるのでは、ともささやかれた。ただ、眞子さまと佳子さまの成人では、宝飾品はそれぞれ和光とミキモトが受注し約2900万円、大正天皇のひ孫にあたる三笠宮家や高円宮家の女王方は1500万円程度の制作費だった。天皇の娘がティアラをつくらないということがあるのか。
ヒントになるのは、上皇夫妻の長女、黒田清子さんの例だ。ある宮内庁OBは、こう話す。
「ティアラを公金で支払うようになったのは、三笠宮家の彬子さまのときからです。近代皇室においては、天皇家も宮家も相応の財産を持っていたこともあり、宝冠など装身具は私的な費用で賄っていたのです」
黒田清子さんのティアラもその流れで、天皇家の日常の生活費である内廷費で制作したのだという。
眞子さまなど公金でつくったティアラは国有財産となり、皇籍を離れるときは置いてゆく。だが、日常費で制作したものは、あつかいがあいまいなところもある。昔の皇族のように、『娘に持たせてあげたい』、と結婚先で大切に保管されているものもあるようだ。
元宮内庁職員の山下晋司氏は、こう話す。
「愛子内親王殿下のティアラは、令和三年度の予算要求に入っていませんでしたから、私費である内廷のお金でおつくりになるのでしょうね」
もうひとつ、予算計上で気になるのは、眞子さまの結婚に伴って支給される1億5千万円の一時金だ。