実際にオンラインで学生を選考すると、手振りなど非言語でのコミュニケーションが減った分、言葉で的確にコミュニケーションが取れる学生を自然と見ることができたという。一方で、対面での交流が難しいため、企業も学生側も最終決断には例年より時間がかかった。「学生が就活を通して手に入れていきたいものが何なのか、本質的なニーズを引き出していくことに全集中していました」。ウィズコロナの採用活動を見据え「オンラインで学生へのリーチを広げ数を稼ぎつつ、最終的な決め手をつかむためにオフラインも併用していきたいですね」と展望を語る。
ハロネットでは自社の採用活動とは別軸で、オンラインで学生とつながってキャリアアドバイザーのような役割を果たし、より良い就活を行えるように支援する活動も行っている。「企業の実際の雰囲気を感じ取りづらい中で、入社後の企業と新入社員とのミスマッチが生じないようにするのが、学生側にも企業側にも重要です」
今後もオンラインを多く活用した就職・採用活動が続くことが予想される。「確かに大変な部分もあると思います。しかし、主体的にならざるを得ないこの状況下で内定を勝ち得たら、数年後の市場価値はものすごく高くなっていると思います」。逆境をチャンスに変える力も、就活を成功させるに当たっての大きな鍵かもしれない。
(文/東京大学新聞社・米原有里)