子供たちが巣立って主人と2人の生活になったとき、犬か猫が欲しいと思い、そのことを口にするようになりました。
私が猫を欲しがっていたのを、職場の仲間が覚えていて、1年ほど前、もらってほしい猫がいると、電話をくれました。
そしてすぐに1匹の雌猫がケージに入れられ、餌と共にやって来ました。飼い主が急に引っ越すことになったけれど、連れていけないのだとか。8歳ぐらいだという話でした。
その猫を「まる」(写真)と名付けましたが、最初はオドオドして餌も食べず、テーブルの下のすみで縮こまっていました。なるほど、これが“借りてきた猫”なんだ、と納得しました。
それでもまるは、私たちと過ごすうちにだんだん一緒に寝るようにもなりました。彼女は愛想はありませんが、癒やしをくれる存在となっています。
今年の夏、まるが熱中症のような症状になりました。下痢と吐き気が止まらないので、初めて動物病院に連れていきました。
まるはおっかなびっくり診察台に載せられ、検査してもらったのですが、その後先生が「この猫は9歳ではありませんね。ほら、歯が1本しかないし、目も白内障っぽいです。12、13歳かな。餌もシニア用にしてあげてください」。
「はあ! えっ??」と唖然としました。
ということは、主人72歳、私70歳で、まるも私たちと変わらない年なんだ……。妙に愛しくなり、老いていく3人(?)で、仲良くいたわり合いながら過ごしていければと、気持ちが穏やかになりました。
まる、仲良くやっていこうね。
(上村ミイ子さん/埼玉県/70歳/パート)
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