※写真はイメージです(GettyImages)
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 経済学者、起業家、ニューヨークタイムズ紙など、多方面から絶賛を受ける人生のバイブル『DIE WITH ZERO』の邦訳版が9月29日に発売となる。人生をもっとも充実させるために、金と時間をどう使うべきか? タイトルにある「ゼロで死ね」の真意とは? さまざまな気づきを与えてくれる本書の邦訳版『DIE WITH ZERO ~人生が豊かになりすぎる究極のルール』から、その一部を抜粋して紹介する。

●一定の年齢を過ぎると、もらった財産の価値は下がっていく

 子どもに金を分け与える最適なタイミングとは、いつなのだろう?

 まずは、最適ではない時期について考えてみよう。若すぎるとダメなのは、少し頭を働かせればわかるだろう。12歳や16歳の子どもに大金を与えようとする親はいない。未成年が資産をきちんと管理するのは難しいからだ。

 だが当然、遅いほど良いわけでもない。まったく与えないよりはマシだが、それでも60歳よりは50歳、50歳よりは40歳のほうが最適なのはたしかだ。譲り受けた財産から価値や喜びを引き出す能力は、子どもの年齢とともに低下する。金を楽しい経験に変えるあなたの能力が、老化とともに衰えていくのと同じだ。何かを楽しむには最低限の健康が必要になる。

 その能力のピークが、気力と体力が充実している30歳だと仮定すれば、50歳では同じ価値を引き出せなくなる。あるいは、30歳のときに1ドルから引き出せた価値を得るのに、もっと多くの金(たとえば1.5ドル)が必要になる。

 つまり、子どもが一定の年齢を過ぎると(あなたが財産を分け与えるのが遅くなるほど)、分け与えられた財産の価値は落ちていくことになるのだ。


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子どもが財産を引き継ぐのは26~35歳がベスト