写真家・小山幸佑さんの作品展「私たちが正しい場所に、花は咲かない」が7月29日から東京の銀座ニコンサロンで開催される(大阪は8月27日~9月2日)。
作品に漂うのは明るく、ゆる~い空気。菜の花が咲きほこる金色の草原。抜けるような青い空。人なつこい笑顔。思い浮かんだのはNHKの人気番組「鶴瓶の家族に乾杯」だ。
笑福亭鶴瓶ならぬ、日本人の好青年・コヤマくんがカメラを手にステキな人との出会い求めてイスラエルとパレスチナを巡る旅だ。
すごく面白いところ。観光で訪れるのもいいと思います
地中海に面した中東の国、イスラエルには大小の島のようにパレスチナ自治区が点在している。
コヤマくんいわく、「イスラエルの人も、パレスチナの人も、ものすごく親切でいい人」。
「街を歩いていると、ぜんぜん知らない人から『コーヒー飲む?』と、言われて、『ちょうだい、ちょうだい』。そのへんに座り込んでしゃべる、みたいなことをよくやっていました」
「すごく仲よくなったタクシードライバーに家へ連れていってもらったり」
一方、「ベツレヘムの近くにはバンクシーの巨大な壁画があって、見に行ったら感動」。イスラエルとパレスチナの間で帰属問題に揺れるエルサレムを訪れると、「すごく面白いところ。観光で行くといいと思います」。
うーむ、中東らしい、きな臭いエピソードはないのか?
「一回、テルアビブでウァーンとサイレンが鳴って、『なんだ?』と思っていたら、まわりの人から『これはミサイル警報だから、シェルターに入るか、どこかのビルに隠れろ』と言われて」、近くのビルの中へ。
でも、「シェルターに入ってみればよかったですねえ」と残念がる。
小田実(※)ばりの「何でも見てやろう」精神というか、はじけるような好奇心がまぶしい。
「いろいろな出会いがあって、印象的な話を聞いたり、印象的な場所を見つけたときに写真を撮りました」