市村正親(いちむら・まさちか)/ 1949年、埼玉県生まれ。73年、劇団四季「イエス・キリスト=スーパースター」でデビュー。「エクウス」「オペラ座の怪人」などに主演し、90年に退団後も、さまざまな舞台に挑戦。2007年春の紫綬褒章、19年春の旭日小綬章をはじめ、菊田一夫演劇大賞、読売演劇大賞最優秀男優賞、紀伊國屋演劇賞個人賞などを受賞。舞台のほかドラマ、映画でも活躍している。7月15日公開の映画「ミニオンズ
市村正親(いちむら・まさちか)/ 1949年、埼玉県生まれ。73年、劇団四季「イエス・キリスト=スーパースター」でデビュー。「エクウス」「オペラ座の怪人」などに主演し、90年に退団後も、さまざまな舞台に挑戦。2007年春の紫綬褒章、19年春の旭日小綬章をはじめ、菊田一夫演劇大賞、読売演劇大賞最優秀男優賞、紀伊國屋演劇賞個人賞などを受賞。舞台のほかドラマ、映画でも活躍している。7月15日公開の映画「ミニオンズ フィーバー」では声優を務め、7月24日から舞台「ミス・サイゴン」で主役を演じる。(撮影/写真映像部・高野楓菜)

林:たしか「オリバー!」は、ファンのみなさんが選んだ「2021年のミュージカルベストテン」の上位に入っていたと思いますよ。

市村:あ、そうなんだ。確かにあの話はよくできてますよね。トニー賞をとっただけのことはあるなと思う。音楽もいいしね。新作だからなかなか手ごわかったけど、やってるうちに自分のものになっていって、楽しかったですね。

林:お坊ちゃん(市村優汰)もお出になって。

市村:そうなの。息子とミュージカルでは初共演でした。彼もオーディション受けて。

林:あ、オーディション受けたんですか。

市村:みんなはオーディション受けて、僕だけご指名なんです。

林:それじゃあ、お坊ちゃん、パパの偉大さがよくわかったんじゃないですか。

市村:わかってないみたい。「やっぱりパパは音程が悪いね」とか言われてますよ(笑)。

林:イケメンで、なかなかきれいなお顔立ちでした。

市村:下の子もなかなかですよ(笑)。2人ともユニークです。下の子はいま5年生だし、上の子は中学生で、いいです、色気づいていて。

林:市村さん、何かのインタビューで、「前は役者になることを反対してたけど、やりたいならやらせてやってもいい」とおっしゃってましたね。

市村:初っ端は僕が反対だったんです。子役って大変だから、あまりさせたくないなと思ってたんだけど、やっぱり蛙の子は蛙で、上の子が「ビリー・エリオット」という作品のオーディションを受けて、落ちたあと一生懸命タップダンスを習い始めたんです。どんどんよくなっていく姿を見て、やっぱりやりたいんだなと思って。

林:それで「オリバー!」のオーディションを受けさせたんですか?

市村:受けたいと言ったので、あれは子どもがいっぱい出るから、どこかに入れるかもしれない、そうなったら勉強になるなと思って受けさせたんです。そしたら「スネイク」という役をもらってね。千秋楽の日、子どもたちが大泣きしている姿を見ると、こっちも感激するし、刺激になりましたね。

林:なるほどね。

市村:それと同時に、早めに一緒にやりたいなという欲が、僕の中に生まれちゃったんです。下の子もピアノと歌を習い始めたので、血は確実に流れてるんです。

(構成/本誌・唐澤俊介 編集協力/一木俊雄)

週刊朝日  2022年7月8日号より抜粋

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