「幸福学」研究の第一人者が、人はいかにして感動するのか、そのメカニズムを解き明かし、実際の感動の現場を紹介している。
感動経験とは、五感に作用するSense、知見の拡大につながるThink、体験の拡大と連動するAct、人や物との「つながり」に基づくRelateという四つの因子が複雑に絡み合って生じるものであるとする著者は、このSTARという枠組みを駆使して、さまざまな商品やサービスがユーザーに与える感動の構造を分析していく。
トヨタとホンダ、タリーズとスターバックス、映画「アナ雪」と「千と千尋の神隠し」の比較などは、送り手側の狙いが鮮明に見えてきておもしろい。その先にあるのはもちろん、「感動する○○」をいかにして生み出すかという指南である。(平山瑞穂)
※週刊朝日 2019年11月1日号