動画のフォーマットは4K/60pをはじめ、数多く用意されている。上映向け作品で必要になるDCI 4K(4096×2160ドット)でも60pでの撮影が可能だ。S1では3840×2160の4Kまでだったので、この点はまさにプロ向けといったところ。そしてフルサイズミラーレスカメラでは初となるセンサー全域を使った6K/24pや5.9K/30pなどの高解像度撮影にも対応した。4Kを上まわる解像度で撮影し、トリミングやパソコンでのブレ補正処理をしても4K解像度を維持できるのがメリットだ。
またカラーサンプリングと色深度だが、DCI 4Kも含む4K/30pでは4:2:2の10ビット(コマ間の圧縮をしないALL-I)となり、かなりリッチな情報量で記録できることになる。動画のRAW記録は非対応だが、外部レコーダーを使った記録機能が後日追加される予定だ。また、後加工を前提としたV-Logモードを搭載しており、ダイナミックレンジはS1と同じ14+ストップ(14段以上)。ちなみにLUMIX GH5/GH5Sは、V-Logで12ストップだった。
静止画の機能もおろそかになっていない点が、「シネマカメラの新カテゴリー」とパナソニックが呼ぶゆえんであろう。動画撮影を主としつつ同時に写真も押さえたいというニーズにはぴったりと言える。
写真・解説=武石 修
※『アサヒカメラ』2019年10月号より抜粋