(4)の内堀通り付近は車との距離が近く、真横から車列を狙う場合は、好ポイントの一つだ。横向きの撮り方について熊切さんが話す。
「カメラのフレームが水平にそろうと気持ちよく構図が決まります。失敗しがちなのは、大きく撮ろうとして被写体にズームで寄りすぎた場合です。時速10キロでも車や人などの『動きモノ』は、アッという間に通り過ぎるため、シャッターチャンスを逃すおそれがある。画面に余裕をもって構図を決めてください」
平成のパレードでは12万人が沿道にあふれた。今回も混雑は必至だ。後方で腕を上げて撮らざるを得ないときは、どうしたらいいか。
「人々が振る日の丸や、上げている携帯カメラも『演出』として写し込んでしまう。お祝い感や時代感が出て、むしろ格好いいでしょう」と熊切さん。
街の雰囲気が出る(5)の国会議事堂や、坂を下る約50台の車列がずらりと並ぶ構図が狙える(6)の赤坂見附の立体交差、(7)の青山「ツインビル」周辺についてはこうアドバイスする。
「プロのカメラのように、両陛下のアップを狙うには限界があります。ならば、東京ならではの建物を背景に入れて、東京という街を走るパレード写真を楽しんでください」
(本誌・永井貴子)
※週刊朝日 2019年10月25日号の記事を加筆・修正