ユニクロ、GAP、ZARA、H&M……ファストファッションの工場が立ち並ぶバングラデシュは、中国に次ぐ世界第2位の衣料品輸出国となった。
しかしそんな縫製工場で働く労働者たちの生活は、決して恵まれた環境ではない。安価な労働力を求め、企業はこの国に進出する。労働者たちの働く場は増えたが、低賃金でスラム街に暮らす。
ストリートチルドレン、娼婦、ポン引き、物乞い、デモ隊と向き合う警官……佐渡島の真言宗の僧侶でありながら写真家でもある著者が、6年の歳月をかけ撮影した、バングラデシュの“深部”。
ファストファッションの慣れ親しんだイメージが強いからこそ、その陰にあるスラム街の住人たちとのコントラストは、強烈に浮き立つ。
(太田サトル)
※週刊朝日 2019年10月18日号