人気の食品業界は採用数が少なく、早慶といえど一桁が目立つ(AERA8月5日号から)
人気の食品業界は採用数が少なく、早慶といえど一桁が目立つ(AERA8月5日号から)

「食品は人気はあるが、門戸は広くない。理工系の採用枠が多く、文系は競争倍率が高くなる」

 人気の背景には、テレビCMの多さも関係する。入社すれば、CMに出てくるような新しいお菓子ばかりを企画できると期待を高める学生も。

「CMを見て広報志望で受ける学生も多い。ただ、文系は営業として採ることがほとんど。採用側も頭を抱えているようです」(前出・安田常務)

 採用者数を見ると首都圏の大学に目を奪われがちだが、地方も負けていない。福岡県にある西南学院大もその一つだ。JTBグループや全日空に2桁の学生を送り出し、以前と比較して採用者数も増加傾向にある。アエラでは11年、リーマン・ショック後に就活を始めた学生が主な対象となった11年春の就職者数の調査を行っていた。当時と比較して採用数が大きく増えた大学を表にした。全日空やソニーが大幅に増やしていることがわかる。

関関同立、日東駒専(AERA8月5日号から)
関関同立、日東駒専(AERA8月5日号から)

 また、数こそ多くないものの、全学生が留学必須の国際教養大(秋田県)や、留学生と日本人学生の比率が半々の立命館アジア太平洋大(大分県)にも注目だと安田常務は言う。

「国際教養は文系なのに、なぜか例年銀行が少ない。一方、メーカーに進む学生が多い。1年間の留学が必須のため、世界に認められている企業に関心を持つのが理由だと見ています。立命館アジアは日本語、英語、さらに自国の言葉を話せる留学生に注目が集まっています。ニトリやファーストリテイリングのように海外進出している企業の採用も目立つ」

 上智大では外国人留学生の就活支援にも力を入れている。今年も英語オンリーの説明会を実施し、日本語能力を求めない企業が14社集まった。同大キャリアセンター長が「まだ日本語ベースの就活が大半ですが、上智としては力を入れていきたい」というように、大学の取り組みも幅が広がっている。

(編集部・福井しほ)

※AERA 2019年8月5日号より抜粋

<人気100社が選んだ大学一覧の完全版は、「AERA」8月5日号に掲載>

※人気企業100社は、マイナビが2019年4月に発表した文系・理系別の「2020年卒大学生就職企業人気ランキング」をもとに、アエラが抽出した。各企業への就職者数(19年春入社)は、各大学の就職課などが学生の自己申告をもとに集計したものを大学通信が19年7月までに調査した。一部、企業が公表したデータを含む。グループ企業を含む人数の場合もある。慶應義塾大は3人以上のみ公表。東京大は「東京大学新聞」、京都大は「京都大学新聞」が公表したデータをもとに、編集部で集計した。★は大学院修了者を含む。最も多く採用された大学を赤色、採用数で5番目までの大学を青色(いずれも10人未満を除く)、10人以上採用された大学を黄色に色分けした。協力/大学通信

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