(c)朝日新聞社
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 しかし、ニューヨーク・タイムズやCNNなどの「主流メディア」と呼ばれている大手メディアは連日のようにトランプ大統領、そしてその支持者たちに対して「人種差別主義的だ」といった一方的な批判報道を繰り返している。

「彼らに私が何を考えて、どうすべきなどと言う権利なんかないし、嘘ばっかり報道しているよ」とアンドリューさんは不満を口にした。

 そもそも「主流メディア」と呼ばれている大手報道機関は、ニューヨークやワシントン、ロサンゼルスなどの東西両海岸部のリベラルな大都市に集中し、保守派が多く集まる南部や中西部など地方の読者・視聴者たちにはこれまであまり関心を払ってこなかった。そのため地方の保守層からは「リベラル」「エリート主義」「エスタブリッシュメント(支配階級)」などと反感を買ってきた。そして2016年の米大統領選では、ほとんどの主流メディアは民主党のヒラリー・クリントン候補が負けるはずがないと予測していたのに対し、共和党のトランプ氏が大統領に選ばれるという大逆転が起こり、保守層のアメリカ人たちはますますこれらのメディアに対して不信感を抱くようになった。

 東部ペンシルベニア州にあるアーサイナス大学で保守系メディアの研究をしているアンソニー・ナドラー准教授は「前回の大統領選で結果予測を大きく外したことは、(主流メディアが)いかに現在のアメリカ国民を理解していないかということを露呈した」と指摘する。

 アンドリューさんも主流メディアは自分たちのような考えを持つアメリカ国民を見下していて、特に「反白人」「反男性」、そして「反保守」といった偏見を持っていると強く感じているという。

 例えば、1月に話題になったトランプ支持者の白人高校生とアメリカ先住民との騒動。これは首都ワシントンで行われた人工中絶反対の集会に参加するために南部ケンタッキー州のカトリック系男子高校から生徒たちが訪れていたが、「MAKE AMERICA GREAT AGAIN(米国を再び偉大にしよう)」と書かれたトランプ大統領支持を示す赤い帽子をかぶった高校生の白人男子生徒一人が、お祈りを唱えて太鼓を叩いている別のデモに参加していた高齢の先住民男性の前に立ちはだかり、挑発的な笑みを浮かべているといったような映像がネット上で拡散した。それを受けてすぐさまCNNなどの大手メディアはこの高校生男子を「人種差別主義者だ」「アメリカ先住民を愚弄している」などと批判した。

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