
超小型な直方体ボディーに1型センサーを搭載するRX0の新モデルが発売された。35ミリ判換算で24ミリ相当のレンズや有効約1530万画素の1型センサーはそのままに、液晶モニターがチルト可能になったのが一番の違い。そのほか、画像処理エンジンの進化でAF性能が向上していたり、4K動画の内部記録が可能になったりしたほか、最短撮影距離が50センチから20センチになり大幅に寄れるようになった。
いわゆるアクションカムではないが、普通のカメラとも異なるカメラで、ユーザーの発想力が試される。「あなたならどう使う?」という開発者からの挑戦状ともいえる。スチルカメラとしては、兄弟機のRX100シリーズのほうが適しているのは当然として、ハマる使い道があるはずと考えた結果、ストリートスナップに使うことにした。どんなカメラやスマートフォンよりも小さい前方投影面積のボディーは文字どおり街に溶け込み、チルトしたモニターの下に指を添えることで安定したホールドが可能だ。実際、スナップにはとても使いやすいカメラになっていると思う。ある意味デジタル時代のミノックスといえるかもしれない。

■描写性
ツァイスのテッサー銘が与えられるとおり、高性能なレンズ。1型センサーだが4分の3ほどの面積しか使っていないので、画質はRX100シリーズにかなわないが、必要十分の描写性能。
■使用感・操作感
モニターは1.5型で画面の文字を読むのにルーペが欲しくなる。開放F4固定だが実焦点距離7.9ミリレンズなので被写界深度は十分。電源ボタンやシャッターボタンは大きい。
■デザイン
先代RX0と同じアルミ削り出しのボディーは蛇腹形状になっていて、デザイン的なアクセントになっている。品位は高く、物欲をそそる。
写真・文=河田一規
※アサヒカメラ2019年6月号より抜粋