梅雨のシーズンが近づいてきました。
そこでこの時季にオススメしたいのが、いま話題の自然由来のナチュラル洗剤を活用した水まわりの大掃除です。大掃除は年末にまとめてする人が多いと思いますが、冬場の拭き掃除は水が冷たくてツラいうえ、気温が低いと油やアカなどの汚れが固まって、なかなかはかどりませんよね。
でも、いまの時季なら冷たい水も気にならず、汚れも固まりにくいので一石二鳥! 本格的な梅雨入りを前に水まわりの汚れをクリーンアップしておけば、厄介なカビや雑菌の増殖もシャットアウト。合成洗剤を含まないナチュラル洗剤は手肌に優しく、入念な洗い流しが不要なので、環境への負担や手間も減らせますよ。
では、さまざまなナチュラル洗剤の特徴を生かした、水まわりの掃除のポイントを紹介しましょう。

汚れと逆の性質の洗剤を使うのが基本

ここ最近、テレビの実用番組などでも話題のナチュラル洗剤。重曹やクエン酸に代表されるナチュラル洗剤は、化学薬品を含んだ洗剤ではなく自然由来のものですので、小さなお子さんがいるご家庭でも安心して使える洗剤なんです。
ナチュラル洗剤の中でも、とくに家庭の水まわりの掃除に威力を発揮するのが「重曹(じゅうそう)」「セスキ炭酸ソーダ」「過炭酸ナトリウム」「クエン酸」の4種類です。
いずれもドラッグストアや薬局などで販売されており、500グラム数百円ほどで手に入ります。
付着した汚れは「汚れと逆の性質(PH)をもった洗剤で中和して落とす」のが基本です。ここで汚れ別にどの洗剤を使用すけばよいか確認しましょう。
●酸性の汚れ(油汚れ、皮脂や手アカ、腐敗臭など)➡アルカリ性の重曹・セスキ炭酸ソーダ・過炭酸ナトリウム
●アルカリ性の汚れ(水アカ、石けんカス、アンモニア臭など)➡酸性のクエン酸

ナチュラル洗剤の代表格「重曹」
ナチュラル洗剤の代表格「重曹」

アルカリ性のナチュラル洗剤の活用法

【重曹】
弱アルカリ性で食品にも使われる重曹は、二度拭きする必要がなく、キッチンまわりの軽い汚れ落としに重宝します。冷蔵庫やレンジ、調理台、テーブルなどについた手アカ・油はねなどの汚れは、重曹水(40度のお湯200ccに大さじ2杯の重曹を溶かす)を含ませた布で拭くとキレイに落とせます。
また、重曹は研磨剤代わりにも使え、鍋の焦げつきやシンクにパラパラと振りかけてスポンジでこするとピカピカに。魚や肉を切ったまな板は、重曹を振りかけてタワシで洗うと残った生臭さもスッキリ。生ゴミバケツにも重曹を一つかみ入れておくと、イヤな腐敗臭が立ちにくくなります。
【セスキ炭酸ソーダ】
セスキ炭酸ソーダはアルカリ性が強く洗浄力も高いので、油汚れがこびりついた換気扇や壁、コンロの五徳やトースターの網など、頑固なギトギト汚れに効果的です。
使い方は簡単です。
1)200ミリリットルの水を入れたスプレー式の容器に、セスキ炭酸ソーダ小さじ2分の1杯を入れて溶かす
2)汚れにシュッシュッとスプレー
3)その後、しばらく放置する
4)汚れが浮いてきたら、捨ててもいい布などで拭き取る
汚れがひどい場合は、スプレー液の濃度を濃くするか、スプレー液を染み込ませたキッチンペーパーで、汚れの部分をしばらくパックしてから拭き取りましょう。汚れを拭き取った後は、軽く水洗いするか、水拭きすればOK!
※重曹とセスキ炭酸ソーダはアルミ製品に使うと変色する恐れがあるため、アルミ鍋などには使用しないでください。
【過炭酸ナトリウム】
過炭酸ナトリウムは漂白・除菌作用があり、茶渋のこびりついた湯飲み、黒ずんだコーヒーカップや水筒、食品の色が移ってしまったまな板などの汚れ落としに好適です。
こちらも使い方は簡単です。
1)40度以上のお湯2リットルに大さじ1杯の過炭酸ナトリウムを溶かす
2)食器を入れて1時間ほど浸け置きする
3)その後、水でよくすすぐ
また、過炭酸ナトリウムはタテ型洗濯機の洗濯槽掃除にも使えます。40~50度のお湯を洗濯槽の高水位まで張り、過炭酸ナトリウムを適量入れて(お湯10リットルにつき100グラムが目安)3分間ほど撹拌(かくはん)します。
そのまま1~2時間放置した後、3分間ほど攪拌して脱水し、すすぎ~脱水を2回行います。これで、洗濯槽に付着した黒カビなどの汚れがスッキリ落とせますよ!

暖かくなってきたこの時期に、換気扇をキレイにしよう!
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酸性のナチュラル洗剤の活用法

【クエン酸】
酸性の性質をもつクエン酸は、水道の蛇口やキッチンのシンク、浴室の鏡などに白く付着した水アカ汚れに効果的です。
使い方は簡単です。
1)200ミリリットルの水を入れたスプレー式の容器に、クエン酸小さじ2分の1杯を入れて溶かす
2)汚れにシュッシュッとスプレー
3)しばらく置いておく
4)その後、捨ててもいい布などでこすり、最後に水で洗い流すか水拭きする
汚れがひどい場合は、スプレー液を染み込ませた布でしばらくパックすると、汚れが浮きやすくなります。
また、クエン酸水をトイレの掃除に使えば、気になるアンモニア臭も抑えられますよ。ただし、クエン酸は塩素系漂白剤と化学反応を起こして有毒ガスを発生するため、塩素系のトイレ洗剤と一緒に使うのは厳禁。また、鉄をさびやすくする性質があるので、金属に使用する場合は「長時間パックしない」「最後にしっかり洗い流す」などの注意が必要です。

水まわりの水垢は、こまめに掃除しよう!
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── 以上、いま話題のナチュラル洗剤を使った、水まわりの掃除のポイントを紹介しました。
汚れの性質や程度に合わせて適材適所に使えば、より効果的に汚れを落とせるナチュラル洗剤。環境にも優しいお掃除アイテムとして、ぜひこの機会に活用してみてくださいね。
※参考/本橋ひろえ著『ナチュラル洗剤掃除術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン社)、石鹸百科HP

クエン酸はトイレのアンモニア臭対策にも
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