
01 沖縄・世界遺産コース
【グスクの城壁に海洋王国琉球の残像を追って】
奄美諸島から沖縄本島、先島諸島の広範囲に点在する城跡をグスクと呼び「城」の字を当てる。300カ所以上が確認されており、沖縄本島に残る5城がユネスコの世界文化遺産に登録されている。
グスクは高台や海岸近くに築かれているので、城壁をとり巻く南国の海と空を写し込んだ構図を狙ってみたい。世界遺産の5城は那覇市から本島中部にまとまっているが、南部に多数残るグスクまで視野に入れると、移動にはレンタカーの利用が望ましい。どこまでも広がる青空とサンゴ礁の海、流れる雲を追いかけるドライブは島旅の醍醐味である。

02 関東・日帰りコース
【江戸城と小田原城から関東平野を俯瞰する】
関東には石垣を持つ近世城郭が少ない。材料の石材が産出されないからだ。もちろん例外はあって、江戸城と小田原城がその代表的な城である。首都東京の中心とは思えないような静寂と、思わずレンズを向けたくなる景色がそこにある。
埼玉県の川越城、群馬県の箕輪城。千葉県の佐倉城、大多喜城。静岡県になるが山中城なども候補とし、地域全域を俯瞰しておきたい。

03 近畿・滋賀京都コース
【戦国時代の名城がひしめく歴史街道へ】
近畿地方は山城から近世城郭まで多数の城が残る城郭密集地域である。特に近江国(滋賀県)には、織田信長や豊臣秀吉の統治時代の城が並び、まさに戦国街道をゆく感がある。また信長の安土城に始まる高石垣や天守を持った近世城郭は、続く秀吉の天下統一事業に伴ってここから全国へ拡散していった。
撮影は琵琶湖畔の城を拠点に、周囲に点在する城を取り込み、北陸地方から京阪神まで視野を広げたコースを組みたい。福井県の丸岡城、越前大野城や、大阪城、姫路城など必見の名城がそろう。
また、訪れる城の歴史や特徴を知ることは、撮影ポイントを逃さず独自の視点を見つけることにもつながるので、事前の情報収集は必須だ。多数出版されている城の解説書やガイドブックを役立てよう。
さらに、昨今の歴史・城郭人気の影響もあって、有名観光地の城やその周辺は休日の混雑が激しいことも計算しておくべきだ。
