引退後に挑戦したことの一つが、スポーツ番組のレポーター。今年4月からはNHK総合「サンデースポーツ2020」にレギュラー出演中だ。今までは取材される側だったのが、取材する側に。五輪という大舞台を2度も経験している畠山さんでも、最初は緊張した。
「番組出演の第1回目で、競泳の池江璃花子ちゃんを取材しました。璃花子ちゃんとはもともと顔見知り。会ったら話す仲だったんですが、その時は緊張してしまい、取材が終わると『私はなんて伝えるのが下手なんだろう』とポロポロと涙が出てしまった。その後、璃花子ちゃんから『愛理ちゃんが新しい世界にいって、大変なのをすごく感じました。でも、すごく応援しています』って連絡がきて。その言葉と、初めて取材現場にいったときの緊張感は忘れないですね」
落ち込んだが、それを糧に逆に燃え上がったという。

「引退して初めて、こんなに出来ない自分をこのままにしたくない、悔しい気持ちを感じたのが、スポーツを伝える仕事でした。現役の時と同じ感覚で、緊張が嬉しいのと、できない自分がいるのでもっとよくしたいと燃えますね」
今まで見たことなかったスポーツについても取材を挑戦している。その一つがプロ野球。
「最初はチンプンカンプンで、じっくりと見たことがありませんでした。球を打ったら右に走るくらいは知っていたんですが、それ以外は何も知らなかった。野球は毎日ニュースに出てくるので、それがわからないのはやばいと思い、まず野球からきっちり勉強しました。今ではルールがわかって面白いですね。毎日見ています。日本シリーズも熱くて面白かった。第5戦とか、最後の(ソフトバンクホークス・柳田悠岐の)ホームランがなかったらどこまで続くのかなと見てました」
野球以外に、やはり面白いと感じたのは、採点競技だったという。
「アーティスティック・スイミング(旧シンクロナイズドスイミング)とか空手の型が面白かった。空手の型は相手が見えないけど、相手がいるような感じで演じ、空気が動く感じがしました。新体操には無い力強い感じがあった。大会の決勝を見ていて、選手の目力とかに鳥肌が立ちました。新体操と同じ採点競技だから、見てしまうのかもしれません」