日本の民話や古典作品に登場する女の子たちを著者自身のエッセイとイラストで紹介している。

 平安後期の短編物語集『堤中納言物語』の「虫愛づる姫君」や『怪談牡丹灯籠』の「お露」、落語版『皿屋敷』の「お菊」などの物語に水彩画風の絵が添えられる。文章と絵のコラボレーションは、テキスタイル業界で活躍し、イラストも文章も達者な著者ならではの試みだ。『古事記』『日本書紀』からは、イザナミノミコトを「喧嘩とヤバい女の子」と題した節で紹介し、身近にいる可愛らしい女の子のような存在として提示する。

 悠久の時をかけて開催される壮大な「女子会」を覗くことのできる本書。イマドキの女の子が分からない人にこそ「今も昔も女の子は変わらない」ことを知るために読んでほしい。

週刊朝日  2018年7月20日号