
「今が一番活発な時期なんでしょうね。元気に楽しく暮らしています。ただ、雌だからなのかもしれませんが、主人のことが大好きでいつもべったり、恋人みたいにくっついて離れないんです。ちょっと嫉妬してしまうときがあるくらい(笑)」
■寒さが厳しい冬の暮らしはやっぱり家族のぬくもりが一番
<飼い猫だけど、晴耕雨読がごとく、晴天であれば畑(野良)で過ごすことが多く、これがホントの野良猫>
こう愛猫のハク(雌、8歳)を紹介してくれたのは1345回(2019年10月25日号)に登場した椎名崇(たかし)さんだ。
畑仕事に出かけるため、椎名さんが軽トラに道具を積み込むとどこからともなく走ってきて、「連れていけ」と言わんばかりに運転席に乗り込むハク。助手席の窓から田園風景を眺め、ダッシュボードに器用に寝そべり、幸せそうにうたた寝もする。畑に着けば、ヒバリを追ったり、カラスにおびえたり、虫を捕まえたり……。大なり小なり肥料も施してくれる。
3年前に誌面で紹介した写真は、野良着のカブリモノをつけて「コスプレ中」の姿が何ともいえぬかわいらしさ。
畑に強い風が吹きつけることもある冬はどうしているのだろう。
「この時期は畑へ行っても、ひと通り遊ぶとすぐに飽きて、軽トラのダッシュボードでまどろんでいることが多いです。畑よりも家族のいるところに行きたがるようですね」
午前中は朝日の差し込む2階の窓辺や座敷、夕方は西日の入る廊下側、そして日が沈めば大好きなおじいさんとおばあさんがくつろぐホットカーペットへ。日の差す場所や人肌のぬくもりを求め、居場所を変える。
「夜は私の布団に入って枕を並べて眠ります」
縁側でおばあさんたちが茶飲み話に興じていると、目を細めて近所のうわさ話に耳を傾ける。新聞を読むおじいさんの背中にぽん、と飛び乗ってくることも。食事時は家族とともにテーブルを囲み、一家だんらんの声を聞く。