

誰もが心を奪われる春の京都が、さらに美しく写真で彩られる。2013年のスタート以来、毎年開催されている「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」(http://www.kyotographie.jp)が、2018年4月14日から5月13日まで開催される。第6回目となる今年のテーマは「UP」。個人においてもグローバルな局面においてもさまざまな問題が生じているなかで、行動や創造を通じて世界を変えていこうというポジティブなメッセージが込められている。
昨年の来場者は約13万人。人気の理由は、通常非公開の町家や寺院、指定文化財やモダンなスポットなど京都市内各所が展覧会の会場となること。今年はジャック=アンリ・ラルティーグから蜷川実花まで、国内外の様々なアーティストの作品が展示されるほか、関連イベントやダンスパフォーマンスも行われ、世界最古のシャンパーニュメゾンであるルイナールが中国人アーティストのリウ・ボーリンとコラボレーションした会場には、ルーフトップバーもオープンする。また、KYOTOGRAPHIEが力を入れる教育プログラムのなかで近年恒例企画となっている「マスタークラス」の受講希望者受付が、3月9日に開始された。「マスタークラス」は、写真の分野の最前線で活躍する写真家やキュレーターによる講座で、本年はフランソワ・シュヴァル、ギデオン・メンデル、ハンネ・ファン・デル・ワウデの3人が講師を担当する。
(1)■フランソワ・シュヴァル「写真の歴史」
http://www.kyotographie.jp/2018portal/masterclass-by-francois-cheval
キュレーターとして数々の写真家の回顧展を手がけてきたフランソワ・シュヴァルは、歴史や民俗学を研究した経歴を活かして、写真史を検討し続ける姿勢を貫いてきた。今回の講座では、写真とその物語性を包括的に読み解く視点を養うことを目指し、19世紀からの写真史を辿っていく。
(2)■ギデオン・メンデル「記憶と有形性ー形を持つということー」
http://www.kyotographie.jp/2018portal/masterclass-by-gideon-mendel
南アフリカ共和国出身の写真家ギデオン・メンデルのクラスでは、共同作業を通じて、自分の所有物のヴィジュアルがもたらす反応に着目し、その意義を写真に落とし込むことに挑戦する。受講者個人の作業や、受講者同士のグループセッションも行われ、心理学とアフリカの歴史に基づき社会的題材を取材してきたギデオン・メンデルの制作の真髄を体感できる時間になりそうだ。
(3)■ハンネ・ファン・デル・ワウデ「チームアップ! ご老人とのポートレート撮影セッション」
http://www.kyotographie.jp/2018portal/masterclass-by-hanne
オランダ生まれの写真家ハンネ・ファン・デル・ワウデは、老人保健施設の入所者とのポートレイト撮影セッションを開催する。ハンネ・ファン・デル・ワウデは、グラフィックアーティストのベン・ヨーステンとその妻であり画家であるエミー・エールドマンスという老夫婦の日常を撮影した作品「Emmy's World」で知られている。年齢を重ねることを考え、物語を引き出し、それを写真のなかで紡いでいく過程を経験できる講座となる。
マスタークラスの申し込みフォーム、問い合わせ先、各講座の基本情報は下記のとおり。開催日や持ち物が講座によって異なるため、注意が必要だ。
申し込みフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScWEx9kT6obCkHQNUAH-ee64XXWJJJIp1T8eBAcRYnTUHD_7w/viewform
問い合わせ先
public.program@kyotographie.jp
(1)■写真の歴史
講師:フランソワ・シュヴァル
日時:4/7、8 (10:00~18:00)
会場:アンスティテュ・フランス 関西 3階サロン (京都市左京区吉田泉殿町8)
受講料:18000円 (Le Cafeでの昼食代2日分含む)
最小催行人数:10人 (最大15人) *申し込みは先着順で締め切り
持ち物:受講者各人が気になる写真集1冊持参
(2)■記憶と有形性 ー形を持つということー
講師:ギデオン・メンデル
日時:4/15、16 (10:00~18:00)
*4/14開催の丹波口会場でのメンデル×シーリーのトークイベントも参加推奨 (14:30~15:30)
会場:Wanderers Stand 2階スペース (京都市下京区八百屋町58 イチハタビル 2F)
受講料:18000円
最小催行人数:10人 (最大15人)
*申し込み15人を超える場合のみ審査の為、申し込み時に5枚組ポートフォリオをオンラインにて要提出。持ち物:撮影機材、ノートPC、家族や本人、縁の場所にまつわる記憶を現すモノ(写真、手紙、文書、形見、その他の物質的または非物質的なモノ)
(3)■チームアップ! ご老人とのポートレイト撮影セッション
講師:ハンネ・ファン・デル・ワウデ
日時:4/26 (11:30~18:00)、4/27 (10:00~18:00)
*4/26 11:30~13:30 ハンネ・ファン・デル・ワウデの作品を紹介するトークイベントは無料一般公開
会場:
4/26 トークイベント/スライドショー(11:30~13:30)
NTT 西日本 三条ショールームにて 京都市中京区烏丸通三条上ル場之町604
4/26 午後の撮影と4/27全日の撮影/編集
日本バプテスト看護専門学校/バプテスト老人保健施設 京都市左京区北白川山ノ元町47 (同敷地内)
受講料:18000円
最小催行人数:10人 (最大15人) *申し込みは先着順で締め切り
持ち物:撮影機材 (カメラ本体内蔵ではない外付けストロボ必要)、ノートPC、ポートフォリオ