側頭部は男性ホルモンの影響を受けにくい場所なのであまり薄くなりませんが、ホルモンに関係なく毛が細くなりやすい傾向の方もおられます。
一方、女性の場合は30半ばから髪のボリューム感がなくなり悩む方が増えます。原因の1つは、髪の直径が細くなること、もう1つは毛髪の数の減少です。また、女性でも更年期手前から男性型脱毛症を発症することがあります。女性にも男性ホルモンが男性の10分の1程度流れているのですが、更年期前後から女性ホルモンの血中濃度が下がることで相対的に男性ホルモンの影響を受けやすくなり、男性型脱毛が発症しやすくなるからです。ただ、不思議と男性とは脱毛のパターンが異なり、頭頂部全体に少しずつ薄くなる「びまん性脱毛」の方が多いのが特徴です。
●抜け毛予防のために シャンプーをしないのは無駄だった!
――薄毛が気になると、抜け毛の数も心配になります。どの程度の抜け毛なら問題はないのでしょうか?
男性型脱毛症かどうかを判断する前に、脱毛には他の病気のリスクもあります。1日で数千本が急速に抜けたり、一部が抜ける円形脱毛症の場合は、AGA以外が原因の場合もあるので必ず医師の診察を受けましょう。
日本人の頭髪の毛は約10万本と言われており、通常の脱毛は毛周期に一致して起こるものなので、1日100本程度の抜け毛なら全く気にする必要はありません。気にしないのが一番です。抜け毛を防ごうとシャンプーを毎日しない方がいますが、それは抜けるべきものが残っているだけで、シャンプーした際にまとめて抜けることになります。3日ぶりにシャンプーをすれば、3日分が一気に抜けるだけなのです。髪を洗わずとも悪影響はありませんが、髪を残すためにシャンプーしない、ブラッシングしないというのは間違いです。