私たち日本人に馴染みの深い、「ソバ」。多くの人たちはソバといえば麺を想像するかと思いますが、実は最近「ソバの実」がスーパーフードとして話題となっているんです!
今回は、そんなソバの栄養と歴史についてご紹介します。
スーパーフードって呼ばれているけど、一体「ソバの実」って何がすごいの?
最近「スーパーフード」と話題になっている「ソバの実」ですが、一体スーパーフードとは何なのでしょうか。日本スーパーフード協会は、スーパーフードを以下のように定義しています。
<スーパーフードの定義>
1. 栄養バランスに優れ、一般的な食品よりも栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
2. 一般的な食品サプリメントの中間に来るような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
どうやらソバの実は、私たちの体にとても良い影響を与えてくれる食品のようですね。それではソバの実にはどのような栄養が含まれているのでしょうか。
ソバの実に含まれる栄養で特に注目したいのが、ダイエットに必要なビタミンB2と食物繊維、そして「レジスタントプロテイン」と呼ばれるたんぱく質です。ビタミンB2や食物繊維はみなさんご存知のことと思いますが、レジスタントプロテインはなかなか耳にしませんよね。実はこのレジスタントプロテインは、脂肪の吸収を抑える珍しいたんぱく質なのだそうです。そしてこの栄養は、特にソバの実の皮の部分に多く含まれています。
麺のソバもとても美味しいですが、ダイエットのお供にソバの実を食べるのもいいかもしれませんね。
救荒食物、「ソバ」!人々の食を支えるソバの歴史。
日本でソバの栽培が始まったのは、およそ9300年前の縄文時代だといわれています。
ソバに関する記述が初めて登場したのは、797年に完成した「続日本書紀」の中です。そこには、奈良時代の元正天皇がソバに関する詔を出したことが記されています。その詔というのが、次の文章です。
今夏無雨 苗稼不登 宣令天下国司勧課百姓、種樹晩禾蕎麦及大小麦、蔵置儲積以備年荒(続日本書紀より)
意訳:今年の夏は雨が少なく、田んぼの作物が育たないので小麦や蕎麦を栽培し蓄えよ
近代以前の日本では、自然災害や凶作による飢饉が起こることは珍しくありませんでした。そこで食料不足を防ぐために、冷害や干害に強い「救荒作物」の栽培が行われていました。そしてその救荒作物の一つが、ソバだったのです。
ソバがこんなにも昔から日本人の食生活を支えていてくれたとは、驚きですよね。
年越しにソバを食べる理由って?
今となっては「ソバといえば麺!」と考える人が多いかと思いますが、実は麺状のソバが登場したのは案外最近のことなんです。昔ソバは、茹でたりお粥などにして食べられていました。ソバ料理のバリエーションが増えたのは、鎌倉時代以降のこと。「蕎麦がき」や「つみれ」、「蕎麦饅頭」など、徐々にソバ粉を使った料理が増えていったのです。
私たちに馴染みの深い、麺状のソバが登場したのは江戸時代のことでした。そして、年越しソバという風習も江戸時代に定着したと言われています。年越しにソバを食べるようになった理由は諸説あり、「長く細く生きられるように」というのが最も有名かと思います。
他にも、ソバの切れやすいという特徴から「一年間の嫌なことを切り捨てる」とか、金銀細工師がソバ粉を使って散らかった金粉を集めていたことから「新しい年の金運を願って食されるようになった」など、様々な言い伝えがあります。
始まりはどうであれ、ソバ=縁起の良い食べ物、というのは日本人の共通認識のようですね。
今回は、スーパーフードと話題のソバの栄養と歴史についてご紹介しました。これを機会に、麺以外のソバ料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
<参考・参照サイト>
日本スーパーフード協会
あさイチ
そば粉の通販 高山印
十割そば健康法普及協会
ぐるなび