もり・ようへい/1964年生まれ。元毎日新聞記者、成城大学教授。著書に『天皇家の恋愛』『天皇家の財布』など(写真=本人提供)
もり・ようへい/1964年生まれ。元毎日新聞記者、成城大学教授。著書に『天皇家の恋愛』『天皇家の財布』など(写真=本人提供)

 例外は、昨夏の悠仁さま(16)の誕生日映像です。初めてセミの鳴き声が入り、「ついにこの日が来た」と思ったものの、その1回きり。悠仁さまが話をするシーンもなく、その後の紀子さま愛子さま雅子さまの誕生日映像は無音でした。

 つまり我々は皇族方の肉声をほとんど聞いたことがないのです。皇位継承者である悠仁さまの肉声が国民に届いたのは、昨春の筑波大付属高校の入学式で記者団に答えた「入学式を迎えることができて、とてもうれしく思っています」くらいです。ちょっと変だと思いませんか?

 令和になって4度目の新年を迎えました。これまでは代替わりに伴う諸行事、コロナ禍、眞子さん結婚と渡米など、注目すべきトピックが続いてきましたが、一転、今年の皇室は今のところ目立つ話題がありません。そんな時だからこそ、テレビからインターネットへとメディアの主戦場が変わる中で、皇室がどう国民と向き合っていくのかを考えるには、いいタイミングのように思います。

(構成/編集部・古田真梨子)

AERA 2023年1月16日より抜粋

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