デジタルで可能性を広げた正方形のチェキ
チェキの愛称で親しまれているinstax(インスタックス)シリーズに加わった新モデル。その名のとおり、人気上昇中のマシカク写真が撮影できる。しかも単にフィルムサイズの大型化ということではなく、仕組みとしてはプリンター内蔵のデジタルカメラで、1/4型で約500万画素のCMOSセンサーの4対3の画像から1920×1920ピクセルにクロップして使用している。つまり写りもできることも従来のチェキとは全く別モノだ。
撮影機能はオート露出のみだがプラスマイナス3.0EVで露出補正ができる。またスローシンクロを含む5種類のストロボのモードとバルブ撮影、2回までの多重露光も可能だ。中身のベースはイマドキのデジタルカメラなので写りは普通によいのに加え、10種類のエフェクトフィルターと画面四隅を意図的に暗くするビネット効果を使え、レトロ感やトイカメラっぽさを演出できる仕掛けになっている。しかも、撮影時にノーマル撮影した画像でもエフェクト効果と露出補正をプリント時に液晶モニターで確認しながら後から適用できるのが優れもの。内蔵メモリーに加えmicroSDにも画像を記録できるので、既存のチェキのように撮影後に1枚だけ出てくるのではなく、過去に撮影した写真を選んで出力することもできる。極端な話、フィルムを装そう填てんしなくてもデジタルカメラとして撮影できるので、露出ミスにピンボケや目つぶりなどの失敗写真でフィルムを無駄にしなくてすむ。
デジタル化されたことで従来のチェキよりは重いが、グリップしやすい形状で、左右選べるシャッターボタンの一方には撮影モード切り替え機能の割り当ても可能。プリント排出時のモニター表示などにも遊び心がありガジェット好きの物欲を刺激する。ちなみに他のデジタルカメラで撮影した画像をコピーしたmicroSDカード読み込ませたところ、全ての画像ではないが明るさ調整やエフェクトやビネットを適用してプリントできた。
せっかくならもう少し高画素にとか、無線機能搭載でスマホ画像もプリント可能にしてほしいとか欲を言えばキリがないが、デジタル化によりできることが増え、便利になっているのは確かだ。少々ホンキになったチェキといったところだ。とりあえず既存のチェキとの価格差である約3倍以上は楽しめるはずだ。
◆宇佐見健
●レンズ:28.5ミリ(35ミリ判換算)F2.4。最短撮影距離:10センチ●撮像素子:1/4型CMOS●シャッター速度:1/2万9500~1/2秒●撮像感度:ISO100~1600●記録媒体:内蔵メモリーで約50枚。microSDメモリーカード(SDHC対応)●液晶モニター:3.0型、約46万ドット●使用フィルム:インスタントフィルム instax SQUARE●画面サイズ/フィルムサイズ:62×62ミリ/86×72ミリ●画質など:プリント画素数:800×800ドット、解像度:12.5ドット/ミリ、RGB各256階調●プリント時間:約12秒●大きさ・重さ:119×47×127ミリ・450グラム(フィルムとバッテリーを含む)●価格:オープン(実売3万1860円)●URL:http://instax.jp/