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 5年前に15歳で逝ってしまった「きらら」という雌の柴犬は、利口で、何の不満も感じませんでした。その喪失感は強く、以後、犬を飼おうという気持ちにはなれないでいました。

 ところが、たまに行くショッピングセンターで娘と一緒に出会ってしまったのが、今は家族の一員になったポメラニアンの「うらら」(雄、4歳)です。

 店にいた他の犬に比べ、首をかしげるしぐさなどが人間っぽく、もう、これは運命の出会いではないかと思えてきたのです。

 名前は「き」を「う」に変えただけですが、先代犬の「きらら」に許しを得るような気持ちも込めました。

 近所の犬友だちに名前を教えると「あぁ、山本リンダの?」とかよく言われます。若い人や子どもたちの中には山本リンダを知らない人もいるし、正直言ってそのイメージはなかったのですが、まあ、それでもいっか(笑)。

 本当は、家に来たのがもうすぐ春という時期だったので「春うらら」のつもりだったのです。

 ポメラニアンはカットを必要としない、毛がフワフワの犬ですが、やはり柴犬の面影を求めてしまって、夏場は柴犬カットにしています(写真)。

 他のポメラニアンに比べると体が少し大きめなので、散歩中に「豆柴ですか?」と尋ねられることもあります。けれども顔を見たとたん、「ほーっ」とびっくりされてしまいます。

 うららは人懐っこく、一番の楽しみは、夕方の散歩のときに学校帰りの小学生たちに出会うことです。

 家まで来て道からなでてくれる子には、うれしさのあまり顔をなめ回す連続ペロペロ攻撃が始まります。

 子どもたちには「帰ったら、ちゃんとお顔を洗ってね」と言いながら、私も癒やされています。

(海老川洋子さん 東京都/65歳/パソコン講師)

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