松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、10人目のゲストはスタイリストの丸本達彦さんです。この連載の松下さんのスタイリングも丸本さんによるもの。2008年に出会った後、10年間の空白があった2人。再会した時のエピソードに心が動かされます。4月24日号に掲載した対談の様子を紹介します。
松下 よろしくお願いします!
丸本 よろしくお願いします。普段、写真を撮られることがないから、今日は緊張しています。
松下 この連載は、俳優さんだけではなく、異業種の方やお会いしたことのない方とも話せる場です。異業種の方で仕事に対する向き合い方などをお聞きできる方はどなただろう、と思った時に「あ! マルさんでしょ」と思って。
丸本 すごく光栄だけど、僕はこの連載で最初から洸平くんのスタイリングをやらせていただいてきて、毎回ゲストの皆さんがそうそうたる方だなと思っていたわけで……。そんな中で、僕の話で間が持つのか心配だな、というのが正直なところです。
松下 僕としては是非お願いしたくて、昨夏、この連載がスタートする前の打ち合わせの段階からお名前をあげさせていただいたんです。
丸本 そうだったんだね、ありがたいです。
松下 これまで顔出しでインタビューなど受けられたことはありますか?
丸本 新聞や雑誌などに何度か出たことはあるけど、いつも写真は1枚パッと撮るくらい。それが今回は4週にわたって掲載とは。「こいつ誰やねん」となりそうだな(笑)。
松下 いえいえ! マルさんと初めてお会いしたのは、僕が最初に歌手としてデビューした2008年です。アーティスト写真やジャケット写真のスタイリングをしてくださっていました。
丸本 そうだったね。もう15年くらい前だね。
松下 僕は当時21歳で、人生で初めて出会った「スタイリスト」というお仕事をされている人が、マルさんでした。あの時、どういう流れで僕についてくださったんですか?
丸本 レコード会社のビクターから連絡を受けてね。当時、僕はビクターに入り浸っていたので(笑)。皆さんにかわいがっていただいて、よく仕事をさせてもらっていました。
松下 そうだったんですね。僕の最初の音楽活動は1年半から2年くらいという短い期間でしたが、その中で出させていただいたシングルや配信の服を全て担当してくださって。当時、すでに丸本さんはトップスタイリストで、いろいろとお話しさせていただく中で、なんてかっこいい人なんだろうと思っていました。
丸本 いやいや、そんなことはないよ(笑)。
松下 僕も服が好きなので、すごく刺激をいただきました。ただ、その後、俳優業を始めてから10年間は、全くお会いすることがありませんでした。僕はスタイリストの方にお願いできるような立場ではなかったですし、時々、ミュージカル雑誌などに取材で呼んでいただいても、基本的には私服で出てましたし。そんな日々の中で、いつかもう一度、マルさんとお仕事がしたいなとずっと思っていました。
丸本 それは本当にありがたいね。