写真家・小野啓が、自らの視点で選んだアイドルたちを活写。「あえて笑顔を撮影しない」というスタンスで、アイドルたちのリアルを写し撮る。
使用機材:ペンタックス67II、マミヤ7II・90mmF2.8、80mmF4L・フジPRO400H
* * *
羽島めい(神宿)
この記事の写真をすべて見る【本人からのコメント】
――今回は原宿で撮影しましたが、原宿という街に対する思い出や好きなところ、思い入れなどを教えてください。
私にとって神宿になる前の原宿は存在しない街だと思っていました。ずっと田舎暮らしだったし、TVもそこまで見ないし、なによりずっと小さい頃からサッカーをしていたので、オシャレ・可愛いものなど、女の子っていう感じのキラキラしたものにまったく興味がありませんでした。どちらかというと男の子が好きそうなアニメとかゲーム(ポケモンとかムシキングとか)が好きでした(笑)。
そもそも東京という街に行く機会など全く無かったので、私がお母さんとお姉ちゃんと東京に買い物に行ったのは本当に偶然で奇跡なんです。そのとき原宿で買い物していると、オシャレで可愛い子ばかりいるなってビックリしてました。それだけではなくまわりのお店や雰囲気すべてが輝いて見えました。こんな街があるんだなって。自分とはほど遠い所だと思っていました。
買い物を終えて帰ろうと駅に向かっていたときにプロデューサーの北川さんに呼び止められました。そこから神宿という人生に大きく変わって今の私が居ます。ネガティブでサッカーの夢を諦めていた私にとって、この出会いはとてつもなく大きく私の人生に変化をもたらしてくれました。だから、私はこの原宿という現実にあるキラキラした夢のような街が大好きです。
原宿といえば竹下通りってイメージありますよね。でも私が一番好きな所は【裏原】です。裏原は竹下通りとは一変して雰囲気がガラッと変わるんです。とても穏やかで不思議な空気感で、居るだけで心が落ち着くし、ルンルンになるからです。なので今回の原宿での撮影で、裏原で撮ったのはすごく楽しかったです。
――「神宿」のグループとしての特徴やアピールポイント、また他のアイドルグループとの違いはどこだと思いますか?
「神宿ってどうやって読むの?」っていう方、よくいるんですよね。多いのが「かみじゅく」とか「しんじゅく」(笑)。私たちの名前は「かみやど」です! 「神宮前」と「原宿」の略です。この頭の文字と最後の文字をとって合わせて【神宿】なんです。更に「かみやど」の頭文字を取ると【KMYD】ってなるのですが、これには意味があります。
K=KAWAII(可愛い!)
M=MAX(全力!)
Y=YELL(応援!)
D=DREAM(夢!)
を届けるのが私達5人のコンセプトです!!!!!
神宿はキャラ立ちがしっかりしてる5人組なんです。例えば私のお姉ちゃん(黄色担当羽島みき)は、メンバーの中で一番年上でリーダーをしているのですが、一番ポンコツでかなり天然だったり、緑担当の関口なほは、なにをしてもまわりを笑いに変えてしまう才能を持っているアホキャラでムードメーカーだったり、桃色担当の小山ひなは、見た目はフワフワしてて赤ちゃんに見られがちなのですが、実は一番頭が良くて的確なツッコミをメンバーにします。赤色担当の一ノ瀬みかは、かなりの不思議ちゃん。自分のワールドがかなりあって見る人を引き込む力があります。
私は神宿では基本MCを担当しています。メンバーをイジったり、話をふったりLIVEの進行をしたり。かなりしっかりしてそうな役割なのにメンバーからは、話すと見た目とイメージがかなり違うと言われます。 結構抜けてるって言われますね。自分ではそうは思ってないのですが。
今話してることだけでは本当にまだまだ足りないくらいメンバーの魅力はもっともっとどこまでも沢山あります。こんなにそれぞれ5人全員個性が違うのはかなり面白いと舁夫さんたち(神宿のファンの名称:意味は神輿を担ぐ人。神宿のLIVEを一緒に盛り上げていくという意味。)によく言われます。
でもそんなにそれぞれ違う個性があるからこそ、最初のデビュー当時、気持ちはなかなか1つにならなかったです。メンバー全員、人生で芸能界にはまったく縁のなかった素人だったし、神宿も全く無名で、秋葉原でビラ配りをしてスタートしました。ビラを配って自分たちの存在を知ってもらい、デビューワンマンライブに来てもらうというのがはじまりだったのですが、もうめちゃくちゃ過酷でした。そのとき全員まだ学生で、学校終わりに東京に来てビラ配りをしていました。なかなか受け取ってもらえなかったり、目の前で捨てられたり、精神的にも堪えたし、1カ月もない間に自分たちの曲3曲をレコーディングしてダンスレッスンしてって、素人の5人はついていくのに必死でした。最初のころは本当にメンバー同士お互いのことをよく知らなかったし、自分のことで精一杯という感じでした。
でも時間が経つにつれ、メンバー全員が同じ気持ちになったことがありました。それが2015年のTIF出演者発表のとき。神宿はこれに出たいとデビュー前に皆で話していて、その15年のTIFに出演できないと知らされたときに、メンバー全員悔しいと泣きました。そこからこのままじゃダメだって気持ちを切り替えてLIVE後に反省点を話し合ったり、お互いの思っていることを直接話し合ったりし始めました。
そこから5人で一緒に頑張って行こうよと約束してきました。
今もこれからも5人での話し合いは大切にしているし、誰も置いていかれないように一緒に上を目指しています。私たち5人は絶対的に強い絆で繋がっていると私は自信持って言えます。家族でも友達でもない、一緒に夢を叶える大切な仲間だと思っています。
――休日や、仕事がオフの日はどうやって過ごされていますか? 趣味や最近ハマっていることなどを教えてください。
今年の3月に無事高校を卒業して時間に余裕ができたので、最近は料理作りにハマっています。オフの日は飼っている犬の散歩をしたり、色んな料理のレシピ調べて作ってみたり。どこかに行きたいなと思ったら必ず原宿に買い物に出かけます。原宿はもうかなり見慣れてきました。裏原で古着を見るのとか、コスメ屋さんに行ってメイク道具を見たり買ったりするのが好きです。
――サッカーに対する思い、好きなチーム(Jリーグでも他の国のリーグでもかまいません)を教えてください。また、日本代表に対する応援コメントなどもありましたら書いてください。
私にとってサッカーはとても大きい存在でした。小学2年生の頃、はじめに別のクラスの女の子から手紙を渡されてサッカーを一緒にやろうと誘われてサッカーを始め、好きになっていきました。
男の子ばかりでどんなに馬鹿にされ、見くびられ、孤立しても全く気にしなかったし、負けなかった。小学生のときは女子チームと男子のクラブチーム両方に所属していて、6年のときには女子チームのキャプテンを務めていました。そのときに全国大会まで行き、Jヴィレッジでベスト16に入りました。あのときの感覚や気持ちは今でもすごく覚えています。雪の中、がむしゃらにボールを追いかけて、声を出してヘトヘトになっていました。試合前の円陣が1番好きでした。このチームで闘うんだ、仲間がいる、とすごく嬉しい気持ちでした。その上、勝ったときの全員の笑顔や涙が本当に大好きでした。
そのころによく見に行っていたサッカーチームがジェフユナイテッド市原。レディースの試合も見に行っていました。サッカーの練習で福田電子アリーナにもかなり行っていました。レディースの見習いの人にサッカーを教えてもらったりもしていました。
サッカーを辞めたのが中学3年生のころです。進路とかでも結構悩む時期がありました。サッカーの強豪高校に行くか、サッカーを辞めるか。あんなに好きで続けていたサッカーに自分の中で諦めが出てしまったのです。
強豪高校の練習に参加したときに、元々一緒にサッカーをしていた子たちも来ていたのですが、雰囲気が違いました。2日間くらい練習に行ったのですが、ここでサッカーをしたいという気持ちがなくなってしまいました。私はサッカーさえできれば何でもいいという考えだったのですが、そのときは違うと感じて。結局、その高校から推薦はもらえたんですが、行くのを辞めました。
それから高校生になって自分には何も無くなったと思って迷ってたときに神宿に出会ったのです。サッカーを辞めてから半年後にアイドルになるなんて、いま考えてみたらめちゃくちゃ破天荒だなって思います。サッカーを始めたことにもサッカー辞めたことにもものすごく意味があるのだなと思いました。サッカーもチーム戦、アイドルもチーム戦。似てないようで似ている部分があることが分かったし、サッカーでできなかったことを神宿で実現したいと思っています。
――その他ファンへ伝えたいことなど、ご自由にお願いいたします。
神宿、そして羽島めいを応援してくださっている舁夫の皆さん、いつも沢山支えてくれてありがとうございます。みんなの言葉、コール全てが神宿にとってチカラの源だし、舁夫さん全員がいることで今の私たちがいます。いつも私たちの声に応えてくれて本当にありがとうございます。沢山応援してくださる舁夫さんたちと一緒に沢山の景色を見たいです。
誰一人置いて行かないようにしっかりと引っ張って行きたいです。
みんなちゃーんと付いて来てね! 約束してね! これからも末永くよろしくね!
【神宿(かみやど)・プロフィール】
2014年9月結成。一ノ瀬みか、羽島めい、羽島みき、関口なほ、小山ひなからなる5人組アイドルユニット。グループ名の「神宿」は「神宮前」と「原宿」を合わせたもの。神宿(KMYD)の頭文字 K=KAWAII(可愛い!)M=MAX(全力!)Y=YELL(応援!)D=DREAM(夢!)を届けるために原宿を拠点に活動している。9月23、24日には結成3周年を記念したワンマンライブがラフォーレ原宿で開催される(詳細は下記参照)。
【ライブ・イベント情報】
●5月20日 (土)
「神宿 定期公演 in フジさんのヨコ Vol.5」
会場:フリースペース「フジさんのヨコ」(http://fujisannoyoko.com/)
第一部 開場11:40 開演12:00
第二部 開場15:10 開演15:30
●5月27日(土)
@JAM2017(Day1)
会場:Zepp Diver City (TOKYO)
開場 13:00 開演 14:00
出演:AIKATSU☆STARS!/アップアップガールズ(仮)/飯田 里穂/大阪☆春夏秋冬/大橋 彩香/神宿/桜エビ~ず/芹澤 優/Party Rockets GT/Pass Code/ベイビーレイズJAPAN/まねきケチャ/わーすた
●5月28日(日)
これからの石巻を盛り上げるのは、私たちアイドルだ! ~略して、これドルだ!~
会場:石巻 BLUE RESISTANCE(〒986-0824 宮城県石巻市立町1-2-17)
出演:いぎなり東北産/SCK GIRL/神宿/COWN POP/call me (五十音順)
開場13:30 開演14:00
●9月23日(土)、24日(日)
ラフォーレ原宿(東京都渋谷区神宮前1-11-6)
神宿3周年記念ワンマンライブ「神が宿る場所~HARAJUKU DREAM~」
※その他、詳しい情報は、オフィシャルHPをご覧ください! http://kmyd.targma.jp/
2017年5月1日から、神宿公式サポーターズクラブ「舁夫会」始動。
→「舁夫会」申し込みページ=http://kmyd.targma.jp/about/
おの けい:1977年京都府出身。2002年より日本全国の高校生のポートレートを撮り続けている。写真集『青い光』で注目され、集大成となる『NEW TEXT』で「写真の会」賞受賞。『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ)、『アンダスタンド・メイビー』(島本理生)など装丁写真も手がける。『うたうとは小さないのちひろいあげ』(村上しいこ)の表紙にはBELLRING少女ハートのメンバー、甘楽をモデルとして撮影した写真が使用された。また、乃木坂46「ハルジオンが咲く頃」のジャケット写真も手がけている
受賞暦
03年、富士フォトサロン新人賞奨励賞
06年、第26回写真『ひとつぼ展』入選、ビジュアルアーツフォトアワード大賞
14年、写真の会賞