2017年度4月から、約89万人の若者が新社会人としての生活をスタートさせました。会社勤めを始めた人の中には、自分が将来どれくらいの地位まで登りつめるか、想像してみた人もいるのではないでしょうか。



 出世する人は周りを蹴落としていった人...そんなイメージがあるかもしれませんが、真の成功者はそうではないそう。英語の「success(サクセス)」には、"ほかを打ち負かしてつかみとる成功"というニュアンスがあるとのことですが、今目指したい成功は「thrive(スライヴ)」。こちらは「栄える」「繁栄する」という意味もあり、人が成長した結果に得られる成功を意味するのだそうです。



 著書『Courage to Thrive』(「成功する勇気」の意)が話題となり、TEDで講演も行なったDr.スティーブン・トルドー氏は、世界の有名経営者や芸能人、スポーツ選手などを顧客にもつ心理学者。バイクに乗ったプロフィール写真はまるでロックミュージシャンのようで、とてもメンター="心の師"には見えません。残念ながら顧客のプライバシーを守るためその名は明かされませんが、彼らにも伝えた「他人を打ち負かさずに成功するための勇気のメソッド」をまとめた先の著書が翻訳され、発売となりました。タイトルは『優しいのに無敵』(サンクチュアリ出版)。



 著者の過去を聞いて驚かない人はいないでしょう。劣悪な環境で生まれ育ち、最愛の弟が自殺。自身もドラッグに溺れどん底の生活に。高校もまともに行けませんでしたが、その後、大学で博士号を取得することを決意します。



 氏がそうであったように、「世の中には、明るくのびやかな『自尊心』を持つ人はとても少なく、むしろ『傷ついた自尊心』を抱える人々で溢れかえっている」(本書より)とのこと。そして、ほんとうの成功を得るためには、まず「自己嫌悪」「自己否定」という感情を自分の心から根こそぎ取り除くことが大切だと説きます。



 また本書を読むと、本当の成功や幸せにはいろいろな形があるという当たり前のことにも気づかされます。