FE 100mm F2.8 STF GM OSS
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FE 100mm F2.8 STF GM OSS
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最新Gマスターはボケを重視したSTFレンズ

 ソニーのSTF(SmoothTrans Focus)レンズとしてはAマウント用の135mmF2.8〈T4.5〉STFに次いで2本目になる、ボケ再現性を重視したレンズだ。通常のレンズでは点光源のボケは輪郭部が明確な円状になるけれど、本レンズはレンズ周辺にいくほど光量を減少させるAPD(アポダイゼーション)光学エレメントを内蔵しており、ボケの輪郭を軟らかく自然に再現する。

 なお、APDにより光量は通常のレンズより少なくなる。135ミリと違い製品名に表記はないが、T値(実際の絞り開放での明るさ)は5.6だ。また、135ミリはMFレンズだが、こちらは像面位相差/コントラストの両AFに対応しており、初心者から使いやすくOSS(手ブレ補正)も搭載した魅力的なレンズに仕上がっている。

 ボケを重視するとき、本レンズか通常の大口径レンズを選ぶかは悩ましいが、ボケの大きさよりその形を重視するなら、こちらになるだろう。

鏡胴にあるT値表示の絞り環とフォーカスリミッター切り替えリング。STFが機能するのはT5.6~8の間ということが示されている
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鏡胴にあるT値表示の絞り環とフォーカスリミッター切り替えリング。STFが機能するのはT5.6~8の間ということが示されている
開放F値は2.8のレンズだがAPDによりT値は5.6になるから、露出は約2段暗くなる。ピントの合っている部分はシャープでありながら、背景のボケの輪郭は溶けるような再現をみせる●α7R II・AE(絞りT5.6・500分の1秒・+0.3補正)・ISO400・WB:マニュアル・RAW
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開放F値は2.8のレンズだがAPDによりT値は5.6になるから、露出は約2段暗くなる。ピントの合っている部分はシャープでありながら、背景のボケの輪郭は溶けるような再現をみせる●α7R II・AE(絞りT5.6・500分の1秒・+0.3補正)・ISO400・WB:マニュアル・RAW

デザイン
この焦点距離と開放絞りにしては大型だが、バランスはいい。ボケを重要視するだけあって、絞り環もある。STFの効果はT8までのようだが、基本は開放絞りで使いこなしたい

使用感・操作感
AF対応なので使いやすい。一般撮影とマクロ領域でフォーカスリミッターもあり、素早いフォーカシングが可能だ。T値が5.6なのでOSS(手ブレ補正)が役立つ

描写性
非球面、EDガラスの効果もあるのか、合焦点はシャープだし、ボケの美しさのバランスもいい。いわゆる大口径レンズの再現とは異なる個性的な描写だ

◆赤城耕一

●焦点距離・F値:100ミリ・F2.8●レンズ構成:10群13枚(APDエレメント含まず、非球面レンズ1枚、EDガラス1枚)●画角:24°●最短撮影距離:0.57メートル●最大撮影倍率:0.25倍●フィルター径:φ72ミリ●大きさ・重さ:φ85.2×118.1ミリ・約700グラム●価格:税別18万8000円(実売18万6300円)●URL:http://www.sony.jp/