10-24mm F/3.5-4.5 DiII VC HLD (Model B023)
<br />
10-24mm F/3.5-4.5 DiII VC HLD (Model B023)
この記事の写真をすべて見る

APS-C用広角ズームレンズが高級感アップ

 2008年に発売されたAPS-Cセンサー用の10~24ミリF3.5~4.5(モデルB001)のニコン用とキヤノン用がモデルチェンジする。今回は新SPシリーズ風のデザインだが、SPの名はない。なお、ソニー用とペンタックス用は従来モデルが継続販売となる。

 名前のVCの文字が示すとおり、手ブレ補正機構を搭載し、AF駆動系には大型のレンズをスームズに制御するために新開発のHLDモーターが初めて採用された。同等の純正ズームレンズはニコン、キヤノンともに手ブレ補正は非搭載なのでその点も魅力的。さらにニコンマウント仕様は、このB023では電磁絞りに対応(非対応のカメラでは使えない)。

 ほかにも、簡易ながらも防滴構造で、レンズの防汚コートなど最新技術もしっかり盛り込まれている。試写に出た日は空気の乾燥と北風で砂ぼこりのひどい日で、メンテナンスが容易という防汚コートの実力とありがたみが十分に実感できた。

11群16枚構成になった光学系は有害光対策もしっかり施されているようで、太陽を画面内に直接配した撮影でもコントラストの低下など画質を大きく損なうことはない。フレアやゴーストの発生も思いのほか軽微で済んでいて好印象だった●21ミリ時・キヤノンEOS 7D MarkII・AE(絞りf6.3・800分の1秒・+0.3補正)・ISO100・AWB・RAW
<br />
11群16枚構成になった光学系は有害光対策もしっかり施されているようで、太陽を画面内に直接配した撮影でもコントラストの低下など画質を大きく損なうことはない。フレアやゴーストの発生も思いのほか軽微で済んでいて好印象だった●21ミリ時・キヤノンEOS 7D MarkII・AE(絞りf6.3・800分の1秒・+0.3補正)・ISO100・AWB・RAW

デザイン
SPではなくなったが、新SP風のデザインになった。ルミナスゴールドリングはDiに比べると少し細いがしっかり主張している。鏡筒の黒は金属製のDiレンズよりつや消し感が強い

使用感・操作感
HLDによるAF駆動は静粛。ものすごく高速でもないが、遅すぎると感じることもない平均的なもの。フィルター径はφ77ミリだが鏡筒は太すぎず、重量的なバランスも問題はない

描写性
周辺光量落ちもわずかで開放からコントラストも高い。ワイド端での歪曲収差と絞り開放側でのシャープネスがややあまさが目立つ場面も見受けられた

◆宇佐見 健

●焦点距離・F値:10~24ミリ・F3.5~4.5●レンズ構成:11群16枚(複合非球面レンズ1枚、ガラスモールド非球面レンズ1枚、LDガラス1枚、XLDガラス1枚●画角:108°44′~60°2′●最短撮影距離:0.24メートル●最大撮影倍率:1:5.3●フィルター径:φ77ミリ●マウント:キヤノン用、ニコン用(電磁絞り対応モデル)●大きさ・重さ:φ83.6×84.6ミリ・440グラム(キヤノン用)、φ83.6×82.1ミリ・440グラム(ニコン用)●価格:税別7万円●URL:http://www.tamron.co.jp/