本連載の書籍化第6弾!『鴻上尚史の具体的で実行可能なほがらか人生相談』(朝日新聞出版)
本連載の書籍化第6弾!『鴻上尚史の具体的で実行可能なほがらか人生相談』(朝日新聞出版)

【鴻上さんの答え】

 のり巻さん。大変ですね。本当に、今まで大変でしたね。

 のり巻さん。今、のり巻さんの夫に対する感情はどうですか? 「夫に本当に疲れてしまいました」と書かれていますが、もう何の愛情も残っていませんか?

 だとしたら、僕のアドバイスははっきりしています。

 のり巻さん。僕は離婚をお勧めします。

 ただし、娘さんは小学生ですから、まだまだ経済的には大変な時期です。

 のり巻さんは現在、専業主婦ですが、働いた経験がありますから、経済的なことをいろいろと考えられると思います。

 どうですか? 離婚した後の生活をイメージできますか?

「私と娘の関係は良好」なことは、安心材料ですが、経済的なことはどうですか? 養育費は確実にもらえそうですか?

 のり巻さん。「義母に離婚したい旨を伝えたところ」と書かれているのが少し気になります。

 夫に対して離婚届を提出するのではなく、義母に話したのは、義母との関係が良好だからですか? それとも、夫と会話にならないから、義母に言ったということですか?

 相手側の家族を巻き込むと、離婚はこじれることが多いと思います。離婚は、あくまで妻と夫の二人の問題です。

 のり巻さんは、優しい人なんでしょうか。夫の気持ち、義母の気持ち、いろいろと考えたら、動けなくなってしまう人なんですか?

 でもね、のり巻さん。自分の気持ちが一番です。もう夫と暮らしたくないと思ったら、離婚するのです。

 のり巻さんには、まだ平均寿命で30年以上あるのですよ。これだけの時間、引き続き、夫と暮らす生活がイメージできますか?

 イメージした途端、「それは嫌だ」と思ったら、離婚するしかないのです。

 のり巻さん。どうですか?

[AERA最新号はこちら]