「写真撮影禁止は、他客への配慮という部分で評価できる。しかし客の付きまとい行為は、今まで以上にエスカレートすることも考えられる。出退勤時の待機場所近辺で待ちぶせをする客は、以前より増えているという」(在京テレビ局スポーツ担当者)
東京ドームには一般客とは異なる場所に“売り子”専用入り口が存在する。神宮球場は近くの建物が待機場所となっており、球場への移動動線は周知されている。
「“売り子”人気は15年ほど前から。当時から無記名掲示板での書き込みはあったが、SNSが普及した今ほどは個人特定等はなかった。ストーカー事件も多発する時代、何かが起こる前に規制するのは当然」(東京ドーム関係者)
しかし、主催者と球場が「有事のため」に規制をしても、それに従わない“売り子”が存在するというから事態は複雑だ。
「売り上げ歩合の比率が高い“売り子”は、固定客をつけることが重要。また東京ドームや神宮などには、いわゆる“業界人”も多数いるため、芸能方面を目指す人には絶好の営業場所になる。連絡先交換したり、球場外で会うこともあるという」(スポーツマーケティング会社関係者)
主催球団によって、“売り子”の活用方法に違いも生まれつつある。楽天は2023年から“売り子”を前面に出すようになり、今季も5月23日に「売り子Night~学園祭」と題して学祭風ステージパフォーマンスを行った。
「楽天は独自路線を貫いている。採用時からルール厳守を徹底させ、客との一線をしっかり引く。そして球団、球場、警備が連携して守る体制を敷いている」(在京テレビ局スポーツ担当者)
“売り子”活用の先駆者といえるロッテも露出を継続している。中でもイニング間にビジョンに映った“売り子”が音頭を取り、球場全体が乾杯する企画が人気だ。
「(ロッテは)2015年に“マリーンズ・カンパイガールズ”を作ってアイドルデビューさせた実績がある。売り子に対してお金を使ってくれる一定層がいるのを知っている。乾杯タイムにはスポンサーを付けているのも凄い」(スポーツマーケティング会社関係者)