
球場内“売り子”の写真撮影を禁止にする球団が増えたことで、スタンド風景が変化しつつある。
【写真】スタンドで麻雀、焼肉、流しそうめんが行われた伝説の球場がこちら
“推し活”“キャバクラ”と時に賛否両論も起きる“売り子”の存在だが、絶滅の危機を迎えているのだろうか。
8月1日から東京ドーム球場内での、“売り子”やスタッフに対する撮影行為が禁止になった。「従業員の安全な就労環境を保護する観点から」という理由だが、スタンドの風景も変貌を遂げ始めている。
「購入時の長時間会話や写真撮影は日常茶飯事。推しの“売り子”に喜んでもらうため、樽全部を買い切る猛者もいる。商売のみを考えれば現状維持が良いのだろうが、混乱も出始めており規制も仕方がない部分はあったのだろう」(在京テレビ局スポーツ担当者)
同様の流れは他球場でも起きている。今季始めからベルーナドームの西武戦では禁止事項になった。その他球場でも、「写真撮影は遠慮していただきます」と掲げるところは多い。
「“売り子”は、芸能界を目指すような可愛い子が多いことでも有名。ビールやサワーを購入した際に話し込む客は多く、“売り子”目的で来場する人もいる。“推し活”“キャバクラ”と呼ばれるのもわかる。各方面で問題視する声も出ており、規制へ理解を示す人は多い』(スポーツマーケティング会社関係者)
規制の実行後も、従来通り“売り子”に粘着する客も見かける。またインバウンド客にとって、“売り子”は「日本野球特有の文化」と映るようで、写真撮影をしたがる人は後を絶たない。
「警備員や案内係の仕事が増えた。主催者と球場が決めたルールなので厳守しなければならない。適用当初は注意に対して食ってかかり、退場してもらった客もいた。また、外国人客は言葉が通じないので大変です」(東京ドーム関係者)
「ノー、ダメ、ノーピクチャー」という警備員や案内係のカタコト英語が、東京ドームのスタンドで多数聞かれるようになった。
規制は他客からのクレームと“売り子”からの相談によって実施に至ったとされる。客との撮影や長時間会話で通路が塞がれたり、試合が見にくくなって苦情が殺到した。また“売り子”に対し、行き過ぎた付きまといをする客も現れていたからだ。