「VIVANT」ですご腕のハッカーを演じた飯沼愛
「VIVANT」ですご腕のハッカーを演じた飯沼愛

目覚ましいブレイクを遂げた飯沼愛

 一方で、作品全体の中で強烈な印象を残したのがベテラン俳優の迫田孝也である。

「『VIVANT』では堺の同僚役で登場するも、その正体を見破られて排除された壮絶シーンは大きなインパクトを残しました。以降も日曜劇場では『アンチヒーロー』『御上先生』に出演し、今やテレビ各局や配信ドラマ、舞台でスケジュールを取り合っている状況です。俳優としての安定した演技力と安心感のある怪しさが相まって作品に厚みを加え、クセのある役や“黒幕”などで起用されるのが定番となっています。業界内では『迫田がいると物語が締まる』と高く評価されています」(民放プロデューサー)

 一方、若手女優の中で目覚ましいブレイクを遂げたのが飯沼愛だ。「VIVANT」ではすご腕のハッカーを演じ、新人ながら豪華キャスト陣に囲まれる中で臆することなく存在感を発揮した。

「飯沼は秋元康氏も関わったTBSスター育成プロジェクト『私が女優になる日_』で発掘され、芸能界入りしました。『VIVANT』『マイ・セカンド・アオハル』とプライムタイムのドラマに連続出演し、昨年にはテレビ朝日系ドラマ『南くんが恋人!?』で主演に抜擢されています。自然体で親しみやすい雰囲気と正統派の美貌が相まって、男女問わず好感を持たれており、エンタメ情報サイトが発表した『2024年ネクストブレイクランキング』では女性俳優部門1位に輝き、若手の中でも頭一つ抜けた存在となりつつあります」(スポーツ紙記者)

 そして主要キャストとして作品を支え、さらにその後のキャリアにも直結したのが松坂桃李である。「VIVANT」では後半に堺と同じ“別班”メンバーとして活躍。複雑な立ち位置を見事に演じ分け、俳優として確固たる地位を築いた。

「今年1月期には日曜劇場『御上先生』で主演を果たし、学園を舞台に大人社会の理不尽に立ち向かう教師役に挑みました。同ドラマのプロデューサーは『VIVANT』がきっかけで起用したと明言しており、『演技力、ビジュアルも含めて得体の知れない役が上手だなと思った』ことが決め手だったと語っています。今の日曜劇場はNHK大河ドラマ朝ドラと並ぶ価値の高い枠。そこで主演を務めたことで、役者としての“格”が上がった印象です」(同前)

「VIVANT」から生まれたブレイク四天王。全員が続編に登場するかは今のところ不明だが、放送される26年頃には4人はさらに大きな存在になっているだろう。

(泉康一)

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