
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:20歳の学生です。理想の自分があるんですが、現実の自分とのギャップに打ちのめされてしまって、信じられないくらいモチベーション低迷期がやってきました。どうにも動く気が起きません。どうしたらこの低迷期を抜け出せますか。考えすぎなのでしょうか?
(女性/学生/20歳/ふたご座)
A:いただいたご相談の文面から、直近において100または120全力を尽くしたような、妙なスッキリ感とやりきった感が伝わってきました。
こういうタイミングは、人生の節目や転機になりやすいです。100の力で自分の理想に向かう努力を何年か続けていると、「出力」の仕方を変えるタイミングがやってきます。例えば朝6時に起きて勉強して、それから出社して、夜の飲み会にも断らずに行くみたいな、そういうことをやり続けた時に、急に「もういいかな」と思う時が来るんですよね。「もういいかな」がやってきたら、それは卒業の時なのだと思います。
不思議なもので本当に興味がなくなるんですよね。飲み会に毎週行っていた人でも、一度「もういいかな」がくると「飲み会って何話せばいいんだっけ」と思うぐらいに飲み会との距離が広がってしまう。相談者さんももしかしたらこういうタイミングを迎えているのかもしれません。
その時にしてほしいのが、出力の仕方の調整です。人のエンジンは有限です。例えば20歳から25歳まで稼働するメインのエンジンがあるとします。そのエンジンは、25歳のある日を迎えると活動を終えます。リース期間が終わるみたいな感じです。
そのエンジンはすごく強くて徹夜とかもできたんだけどリース期間が終わると頑張りが利かなくなってくる。「こんなはずじゃなかった」と思ってしまうのが人情だけど、任期を終えたんだなと思って、次のメインエンジンを探しにいく必要があります。それは今の自分が心地いいと思う過ごし方を探すところから始まるんじゃないかと思います。
エンジンが変わる時って、別人になると言っていいぐらい人は変わるというのが僕自身の感覚です。ずっと夜型の生活をしていた人が、朝型人間になったりとか。モチベーションの低迷期としてマイナスに捉えるよりも、楽しみながら、次の一手を探す時期として、自分にしっくりくる生活設計を作り直してみて。
ふたご座はネバーランドが出身地。夢と理想を持って人間界にやってきて、でも人間界の大人たちに辟易しています。ダメージを負ったふたご座は、編み物や太極拳など、自分の芸の道を進んでいきます。社会との接点をほどほどにして、自己満足で面白いものを追求していくのも、ふたご座的にはおすすめです。
※AERA 2025年8月25日号
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