「まだブレイク前」

坂崎:結局、僕ら、音楽が好きなんです。珍しいかもしれないのは人の音楽も好きなんです。

高見沢:3人ともね。「老けないね」とよく言われますが、俺たちは好きなことをやっていますから。アマチュアからプロになって仕事として対価をいただくようになって、ちょっとつらいときもありましたけど、でも「好きなこと」ですから、幸せなことですよね。坂崎はギター200本も持ってて、そんなに必要ないのではないかなと思うのですけど。

坂崎:いやいや高見沢はその3倍は持ってますから。

高見沢:3倍は持ってないよ。ただ、ギターに対する気持ちは、学生時代から変わっていないよね。だから、どうしても僕らはギターが増え続けてしまうんです。桜井は4本だけだけどね。

桜井:憧れがね。

高見沢:あんまり音楽が好きじゃないとか?(笑)

桜井:そんなこと言わないでよ。「3人とも音楽が好き」って言ったじゃないか!(笑)

坂崎:桜井は焼酎の銘柄とかの方が詳しいよね。

──目標やゴールは定めているのだろうか。

坂崎:「まだブレイク前」という話をよくするんですが、高見沢が島田秀平さんに手相を見てもらったら、「76歳がピーク」と言われたそうです。なので、あと5年ですね。いま登っているところです。もうすぐ頂上が見える?

桜井:頂上が見える前だったらいいよね。

高見沢:20代で作った「明日なき暴走の果てに」という曲に、「未だ ゴールは見えず」という歌詞があるんですが、今こそとても腑に落ちます。人間に寿命はあるけど、音楽や楽器やコーラスが好きというのは変わらないと思うので、ゴールは永遠に見えない方がいいのかもしれない。

坂崎:スポーツ競技には年齢によるピークも引退もあるけど、音楽は勝ち負けもピークもない。いろいろな山がありますし、頂上もないんでしょうね。

(構成/ライター・小松香里)

AERA 2025年8月11日-8月18日合併号より抜粋

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