【図1】人が願望に向かって歩んでいくことを表した図
【図1】人が願望に向かって歩んでいくことを表した図
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「今年こそ、夢をかなえたい!」「人生を変えたい!」と考えている人は少なくないでしょう「でも、なかなか実現できない……」という人が多いのも現実です。なぜ、夢や目標が実現しないのでしょうか?実は、人が抱いている夢や目標は、多くの場合、満たされない感情が作りだした「ニセの願望」であることが多いのです。本連載では、人気のプロコーチ堀江信宏氏の最新刊『人生の悩みが消える自問力』(ダイヤモンド社、1月27日発売)の内容をもとに、あなたの「本当の望み」をかなえるための自問自答の技術について、紹介いたします。

●1年半の間、誰も解決できなかった難問とは?

 満たされない願いや、心の欠落感からくる痛みがもとになった願望というのは、本当の願望ではありません。

 だから欠落を埋めようとして、たとえ何かを達成しても、心からの満足感や充実感を得ることはないのです。

 問題を根本的に解決するには、ニセの願望の正体を見極め、自分自身の本当の願望を見つけ、それを満たすべく行動していく必要があります。これを可能とするのが自問力なのです。

 もう1つの例を、ご紹介しましょう。

 以前に三重県のある商工会議所が主催する、地元のビジネスマンたちの講演会がありました。

 毎月1回、さまざまな分野の専門家が呼ばれていて、講演者として私も招かれました。主に30代から40代で経営者や管理職として仕事をしている方々に、お話することになりました。

 当日、皆さんに少しでも多く喜んでいただけるよう、私は講演の最後に、「もしもこれが叶ったら、皆さんが最高に喜ぶということは何かありますか?」と質問したのです。

 すると主催者が少し言いにくそうに、「実は、毎回一人の方が相談を申し出るのですが、この1年半、誰も解決できない問題があるんです……」と話し始めました。

 会場には、その相談を申し出る方も参加されていました。それは、若くして建築会社の役員になられた方でした。

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